2024年9月18日

システム導入の真の目的と企業成長への道 第2回:なぜ企業に「システム」が必要なのか

目次

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前回までのおさらい

第1回では「システムとは」についてお話ししました。
「システム」とは、業務効率化のために情報を効率よく収集し、効率よく伝達するためのものだということがわかりましたね。
また、「システム」とは昨今では企業理念を実現するための実行手段(ツール)であるとお話ししました。

では、なぜ企業に「システム」が必要なのでしょうか。
今回はこの点についてお話しします。

 

企業にとっての「システム」とは

世の中には様々な業種の企業が存在し、それぞれの業種に向けたシステムが数多く提供されています。

例えば・・・
・製造業向けには「生産管理システム」や「受注管理システム」など
・小売業向けには「顧客管理システム」や「販売管理システム」など
・建設業向けには「施工管理システム」など
また、業種を問わずに利用できる「ERPシステム」や「人事労務管理システム」もあります。

これらの「システム」は、基本的には対象業務を支援し、効率化を図るためのものです。

例えば「生産管理システム」では、生産計画から製造管理・資材管理、在庫や販売管理までを一元的に管理することができます。1つの製品を製造販売するにも、管理しなければならない項目や手順は多く、全体としてそのトランザクションは膨大になります。このような大量のトランザクションを漏れなく、ミスなく正しく処理するための手段が「システム」であると言えます。

企業にとって「システム」とは業務効率化のためのツールであることがわかりますね。

 

企業にとって「システム」は必要なのか

「システム」は企業の業務効率向上のためのツールであることは、先ほどお話ししました。

では「システム」を導入しない企業の業務は成り立たないのでしょうか?

答えは「NO」です。
「システム」を導入しなくても、企業の業務は成り立ちます。なぜなら、業務に必要な処理を「手作業」で行い、情報を「紙」で残せばよいからです。
顧客の情報や、受注の情報、出荷伝票、図面情報、施工計画など、どんな業務でも「紙」があれば成立するのです。

事実、電子計算機(PC)が登場するまでは、どんな企業でも「手作業」で処理を行い、その結果を「紙」に残して業務をこなしていました。
また、このブログを読んでいただいている方の中にも、業務システムを導入せず、一般的なofficeツールで業務を行っている企業も多いのではないでしょうか。

そうなると「なーんだ、手作業や紙で業務が回るならシステムなんていらないや」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でもご安心ください(笑)。
実はアナタの会社にも「システム」は必要なのです。
なぜアナタの会社に「システム」が必要なのか、次の章でお話しします。

 

企業が「システム」を導入する本当の目的

企業がシステムを導入する目的として、主に「業務効率の向上」が挙げられます。
しかし、「業務効率の向上」と言われても、「それで売上が上がるの?儲かるの?」と思う方もいるでしょう。
事実、「システムの導入=業務効率の向上=売上(利益)の向上」に直結しないことも多いのです。

それでも企業が「システム」を導入する理由は・・・
「手作業や紙の業務から解放される」
ためです。

手作業や紙で業務を行うために、最も必要な要素は何でしょう。それは「人」です。
人が手を動かし、電卓を叩き、紙に書く、印刷し、紙を探す・・・。
そうです。手作業や紙で業務を運営するためには、人の労力が必要なのです。

システムを導入することで、手作業や紙の業務から解放され、それに関わっていた人の時間を生み出すことができます。

「人が余ったらどうするの?その人の仕事がなくなるよね?」と思われる方もいるでしょう。

しかし、紙の業務から解放されて余った人は、企業にとって貴重な「人材」です。
システムで解決できることはシステムに任せ、その結果生まれた人材の時間を、企業の成長戦略に向けた適切な配置に活用することで、企業の成長につなげることができます。

このように従来は人の手で行われてきた業務をシステムに任せ、人はより生産性の高い仕事に従事するという考え方は、近年のAIの進歩によってより顕著になってきました。IT業界では、生成AIにソースを書かせたり、営業資料の作成をAIが行うことが一般的になりつつあります。また、今後はERPのようにあらゆる経営資源を一元管理するシステムが、経営判断に必要な情報をAIから出力することができるようになるなど、そのレベルに関わらず、「人が何かの処理をする」という考え方自体が変わっていくかもしれません。
※もちろん、生成AIのアウトプットを全て信頼するのではなく、効率化などの支援の観点において。

この章の冒頭で「システムの導入=業務効率の向上=売上(利益)の向上」は直結しない場合が多いとお話ししましたが、紐解いていくと、
「システムの導入=業務効率の向上=人材の時間の創出=人材の適切な配置=売上(利益)の向上」が成立することがわかります。

そうです。「システム」、は導入そのものや「効率化」が目的ではありません。導入し、効率化されたことによって、そこで生まれたたリソースを経営資源として活用することで利益につながるのです。
逆算すると、経営資源を確保するためにシステムが必要だとも言えますし、ここからシステム化の検討が始まるとも言い換えることができます。

 

終わりに

企業になぜ「システム」が必要なのか。それは、システムができることをシステムに任せ、人材の時間を創出し、企業の成長戦略に配置することだというこをお話ししました。
※システム化以前の業務フローそのものがボトルネックとなっている場合、それを解消することももちろんありますし、システム化要件としては直接的なアプローチであり、非常に有効だと思います。

第1回でお話しした弊社のコンセプトである「BizDevOps」とは、この「企業の成長」を目的とした活動なのです。

次回は「システムを導入しなかった企業の未来」についてお話しします。

記事: Y.I

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