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こんにちは。SSです。
私のブログではこれまで当社のペーパーレス支援ツール「SHIORI」と関連した、業務のペーパーレス化推進について触れてきました。
過去記事はこちら
・AI-OCRとRPA連携で業務効率化!導入メリットと成功のポイント
・製造現場の帳票を電子化!課題とIoT化に向けて実現できること
・ペーパーレス化の利点と課題:企業が知っておくべきポイント
いずれも現場で使われている「帳票の電子化」を進めるという内容でしたが、今回は視野を大きく広げ、ペーパーレス化の先にあるもの「DX」についてと、DXがなかなか進まない理由について、実際の営業現場で感じることを書いていきたいと思います。
DXってなんだっけ?
はじめに、そもそも「DX」とは何を指す言葉なのか、おさらいしてみましょう。
AIに「DXってなに?」と聞いてみたところ、以下の答えが返ってきました。
「DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル技術を使ってビジネスや生活をより良く変革することだよ。」
…うーん。分かったような。分からないような感じですね。もう少し詳しい説明を求めてみました。すると
「DXは、単にITを導入するだけでなく、ビジネスモデルや組織文化まで変える、もっと大きな変革を指すんだ。例えば、紙の書類を電子化するだけでなく、そのデータを使って業務プロセスを改善したり、新しいサービスを生み出したりするようなイメージだよ。」
少し具体的になりましたね。
※ちなみに、この回答は当社内の取り組みで利用しているパーソナルAI「ShunSapo」に聞いてみました。
なるほど確かに。私の過去記事でもペーパーレス化そのものをDXとして扱ったことはありませんが、DXとはどうやらペーパーレス化の「その先」にあるようです。
それでは、ペーパーレス化とはDXへ向けた取り組みのどこに位置するのでしょうか?段階を追って見ていきたいと思います。
DXの構造
DX全体を定義する構造は経済産業省「DXレポート」に示されています。
参照元:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation_kasoku/pdf/20201228_3.pdf
①デジタイゼーション
デジタイゼーション(Digitization)とは、同レポートでは「アナログ・物理データのデジタルデータ化」と定義しています。
これまでのブログの内容を踏襲すると「紙帳票からSHIORIへ置き換えし、アナログ情報をデジタルデータ化する」が正にこの段階にあたるものです。これは「紙」を利用する一連の業務フロー全体で見た場合、「部分的」なデジタル化と言えます。
②デジタライゼーション
デジタライゼーション(Digitalization)とは「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」と定義しています。※同レポート参照、以下略
上述のペーパーレス化と関連した業務の場合は「取得されたデータを、RPAを使ってフローを自動化する」等が上げられます。「帳票」という枠を超え、帳票を使った業務フロー全体がデジタル化され、そこに要していた人の労力やそれにかかる時間そのものが短縮されています。この段階でも①のデジタイゼーションと比較し、その効果が大きくなっていることがイメージしやすいと思います。
③DX(デジタルトランスフォーメーション)
「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革」と定義されています。
急に定義が難しくなりましたね。これまでは具体的にイメージできていたものがどこか遠くに行ってしまいました…
では、具体的にどんなこと?を前段のイメージからDXに向けて飛ばしてみましょう。
この段階では、業務に関わるあらゆる情報がデジタルデータとして集約されていることが前提となってきます。前述のペーパーレス化はその一部に過ぎません。非常に乱暴ではありますが、ざっくりとまとめると企業活動における根幹である「人・モノ・カネ」に関わる情報がデータ化され一元化された状態です。
少しだけスコープを狭めると「生産工程におけるデジタル化された情報を分析・可視化して、業務プロセス・フローそのものの見直しを行い、生産性や安全性を高めることで、企業価値向上や企業成長につなげる」という言葉にできますね。
なぜ進まないDX
ここまで、ペーパーレス化と絡めてDXの構造を見てきました。順を追って見ていくとDXまでの道のりは意外と難しくないように思えます。ではなぜこれほど「DXが進まない」といった問題や「DX疲れ」などの言葉が取り上げられているのでしょうか…
私自身が営業現場で感じた率直な感想は「①デジタイゼーションは進んでいる」です。現に勤怠労務管理にタイムカードを使っている企業は少数派ではないでしょうか。また販売管理システムやSFAなどの有名ツールを導入している企業も大変増えており、着実にデジタイゼーションは進んでいます。
では、DXに続かないのはなぜか?ここからは私自身の経験に基づく感想になってしまいますが「安易なツール導入によってDX構造の壁を越えて行かない」「構造を無視しDXからはじめようとしている」の2パターンを強く感じています。実際にお客様の中には高額なERPシステムを導入するも、ERP自体は最終的なデータ投入先でしかなく、その前段階では全てExcelで業務をしていた。といったお客様も存在します。
まとめ
DXが進まない理由について、DXの構造とその構造から見た進まない理由について触れてみました。進まない理由については2パターンに分類しましたが、その「根」は同じであると考えています。ここまででは消化不良だと思いますので、次回はこの「根」についてもう少し詳しく触れていきたいと思います。
記事:S.S