2024年12月11日

通販サイト運営におけるオムニチャネルの重要性

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通販事業を運営する企業や、その関連業務に携わる方は、ここ数年で「オムニチャネル」という言葉をよく耳にするようになりました。
オムニチャネルは、現代の通販サイト運営において欠かせない要素となっており、その理由は顧客が様々なデバイスで購入体験が出来るようになったこと、そして顧客が多彩なチャネルを介して購入行動を取る時代に変化していることにあります。
通販事業者は、顧客に対して複数の接点を統合し、一貫性のある顧客体験を提供することが成功の鍵となります。
本記事では、通販事業におけるオムニチャネルの重要性と、その導入が企業の成長にどのように貢献するかを書いていきます。

 

オムニチャネルとは何か?

まず、「オムニチャネル」とは何か、どのような意味なのかを定義します。
オムニチャネルとは、オンラインストア、実店舗、モバイルアプリ、SNS、カタログなど、さまざまなチャネルを通じて『顧客がシームレスに買い物体験を楽しめるようにする戦略』として定義されます。
各チャネルが相互に連携し、一貫したブランド体験を提供することで、顧客満足度の向上を目指すものです。
たとえば、店頭で見た商品がオンラインでも購入できるようにすることで、顧客はどちらで購入しても同じ価格で同じ商品を入手できます。
これにより、ブランドに対する信頼が高まり、購買意欲が向上して売上増加にも寄与します。
また、オンラインとオフラインのどちらで購入しても同じレベルのサービスが受けられることも、顧客満足度を上げられる要素となります。
簡単な例として、ポイントが店頭と通販サイトで共通して利用できることが挙げられます。

 

なぜオムニチャネル戦略が重要なのか?

では、なぜ顧客に対してオムニチャネル戦略が重要なのでしょうか?
前述のとおり、顧客はオンラインとオフラインを行き来しています。
たとえば、店頭でスマートフォンを使いながら商品名や型番を検索しているシーンを見かけたことはありませんか?
顧客は同じブランドの商品を購入するか、オフラインで購入するか、
単に価格の違いだけでなく、商品の受け取り方や配送費用なども考慮しながらネット検索を活用して判断しています。
特に大型家具や家電のような商品では、配送費や必要なタイミングなどの比較検討が重要です。
企業が顧客に適切な情報を提供することで、顧客の利便性が向上し、リピート購入率や顧客満足度が高まります。
これにより、ブランド全体のイメージ向上し、顧客はリピーターとなる「ファン」としてのロイヤリティも高まるでしょう。
また、購買履歴を追うことで、購入者の嗜好も分析ができ、その後のマーケティング活動をより効果的に行うことが可能になります。

 

オムニチャネル成功の事例

ここで、成功している企業のオムニチャネル事例を紹介します。
たとえば、ZARAやIKEAなどはオンラインとオフラインの購買データ統合を実現し、シームレスな顧客体験を提供しています。商品購入後、1週間後ぐらいに商品に対するアンケートや使い心地についてのメールやアプリのPUSH通知が来た事があると思いますが、これもオムニチャネルの一例です。
また、Amazonは「クリック&コレクト」などのサービスを提供し、通販サイトで商品を購入した商品をリアル店舗や宅配ボックス、ドライブスルーなどで受け取れる仕組を導入しています。
これにより顧客の利便性と満足度が高まります。
また、現在では、パソコン、スマートフォン、タブレットといった複数デバイスも、同様の購入体験ができることが、オムニチャネル戦略において重要なポイントです。

 

オムニチャネル戦略を導入するためのステップ

オムニチャネル戦略を効果的に導入するには、以下のステップが重要です。

①社内での理解と取り組むことによるメリットを浸透させ、社内一丸となって取り組む協力体制を築く

②顧客データの一元管理を行い顧客の行動、購買、閲覧データを集約し、一人一人に最適な体験を提供するための仕組みを導入する

③システムの導入によるデータの統合を行い、POSやCRMなどのシステムからの情報を統合し、リアルタイムでのデータ更新を可能にする

上記は簡単なステップですが、特に社内体制の構築はオムニチャネル戦略の成功において非常に重要なポイントです。
システム導入によって環境を整えたものの、従業員の理解や協力が得られず、十分な成果が出ないケースや、かえって逆効果となる場合も多く見られます。

 

オムニチャネル戦略がもたらす未来の展望

少し視点を変えると、オムニチャネル以前には「O2O」や「マルチチャネル」といった概念が注目されていました。
O2O(Online to Offline)はオンラインからオフラインの店舗へ誘導する考え方で、インターネットとリアル店舗を繋げて、1対1の関係構築を目指すものでした。
次に、複数チャネルを使って情報や商品を提供する「マルチチャネル戦略」が生まれ、これがオムニチャネル戦略へと考え方が移行しています。
今後、AIやIoTといった新しい技術の進化により、オムニチャネル戦略はさらに進化し、リアルタイムでの顧客行動予測や自動化されたマーケティング施策が可能となるでしょう。
たとえば、チャットボットによって顧客の嗜好を把握し、必要な情報のみを提供するパーソナライズ化されたサポートが一般的になると考えられます。
既にそういったパーソナライズ化された情報を提供しているサービスやSNSはここ近年で増えてきましたが、AIを活用した高度な予測により、ユーザーに必要な情報をタイミングよく提供できる仕組みがより一層自動化されていくでしょう。

 

まとめ

オムニチャネル戦略とは、単に「複数チャネルの活用」だけではなく、顧客体験を中心に据えた統合的なアプローチが求められます。
通販サイトの運営において、いかに効果的に導入し、活用できるかが企業の成長を左右する大きな要素となるでしょう。
顧客の期待に応えるだけでなく、顧客が期待するであろう施策や未来の予測を行う事で期待を超える体験と価値の提供が可能となります。
マーケティング戦略もO2Oやマルチチャネル、オムニチャネルへと進化してきたように、今後さらなる進化が起こり、それに対応する企業はスピードと正確性が求められる時代に突入します。
時代の流れに沿って対応を進める企業は、ユーザーの利用シーンに対して、それにあった情報提供やパーソナライズが行えますが、出遅れた企業は追いつくまでにかなりの時間を要すると思います。
今後のオムニチャネル戦略を制する者は競争優位を確立し、顧客の囲い込みが容易になる時代がすぐそこまで来ていると日々感じていますので、いち早く取り組む事を決めて運営に向けた計画を立てる事が今後は重要です。

再春館システムでは、このようなご相談も受け付けておりますので、ぜひ一緒に取り組みを始めましょう。

記事:BSサービス事業部 R.M

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