2022年10月4日

システム刷新におけるRFPの必要性

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RFPは「Request for Proposal」の略で、提案依頼書と呼ばれるものです。

システム刷新を実施したい事業者が、開発会社に対して開発を依頼する際に、自社システムに必要な要件や実現したい業務などを示すものです。
これを作成することで事業者、開発会社双方にさまざまなメリットがあります。
例えば事業者は、自社システムのオーダー内容を明確にすることができますし、オーダーが明確になることで、選定する開発会社の評価がしやすくなり、自社にとって最適な開発会社を選定することができます。

また開発会社は、システムのオーダーや課題が明確化されているので、それにより事業者の意向に沿った提案ができるようになります。

このようにシステム刷新を実施するにあたりRFPの作成は必須といっても過言ではありません。今回はRFP作成を具体的にどのように進めたらいいかをお伝えしていきます。

システム化方針決定

システム導入や刷新は目的ではありません。システムは自社の経営理念や中長期の経営計画を達成するための手段であるため、自社の戦略に沿ったシステム化の目的や方針を言語化しプロジェクトメンバーで共有する必要があります。

目的や方針を言葉として設定することで、今後システム導入に向けて迷いが生じた場合の拠り所にもなります。できるだけわかりやすい言葉で完結な言葉にしたほうが共有しやすいと思います。

業務の棚卸し

まず、現状(AS IS)とあるべき姿(TO BE)を明確にします。自社の現状業務の棚卸しを行い、新システム導入によって変更すべき業務のポイントを明らかにし、あるべき姿を導き出します。
具体的には、各部署のご担当者へのヒアリングやマニュアルなどをもとに、それぞれの業務に関して誰が何をするのかを明確にした業務フローを作成していきます。

業務フローは「現状」のものと「あるべき姿」をそれぞれ作成したのち、あるべき姿を実現するためにどういった機能が必要かを明確にしていきます。

コミュニケーション設計

次にシステムに必要な機能を洗い出すために、「誰に」「何を」「どうするのか」を明確にします。
例えば通販システムの場合、お客様に最高の体験をご提供するための機能を洗い出すには以下を明確にしていきます。

「誰に」:どういった層に販売を行うのか?
「何を」:どういった商材を販売するのか?
「どうするのか」:どうやって商品を発送するのか?

具体的な内容について、通販システムの場合を例にしてお伝えしていきます。

ターゲット設定
最適なコミュニケーション設計をしていくために、自社のお客さま像を明確にして親和性が高いお客様とはどういうお客様か?を明確にして、そのお客様に対してどうコミュニケーションする必要があるか?を考えていきます。

まずは評価軸(例えば化粧品であれば、「美容に対する意識の高さ」「化粧品の理解度」という2軸など)を決め、どのセグメントにどれくらいの人数がいるのか、どんな人がいるのか仮説を立てます。
「美容の意識が高く化粧品への理解が高い」「美容の意識は高いけど化粧品への理解が低い」などのセグメントがでてきますね。
そのうえで、どのセグメントが自社との親和性が一番高いのかを明確にします。

親和性の高いセグメントを明確にすることで、どのようなコミュニケーションが必要か、を考えやすくなります。
そのうえで、ペルソナ(お客様像)を具体的に設定します。

カスタマージャーニーマップ(CJM)作成
ペルソナ作成後、ペルソナの態度変容を整理するために、カスタマージャーニーマップ(CJM)を作成します。

CJMは感情の動きなどを「時系列」に沿って視覚的に表現するため、各時系列におけるお客様のニーズと、そのお客様に対して必要なコミュニケーション方法を顕在化させることができます。

コミュニケーション設計と必要機能の洗い出し
CJMを作成することで、お客様とのコミュニケーションに必要な要件が整理されるため、それに基づいて必要な機能を定義していきます。

これによって定義した機能を「要求機能一覧」としてRFPの一部として盛り込むことにより、開発会社からの提案の精度が格段に上がります。

RFP作成

以上のことを実施することで、どのようなシステムが必要なのかが明確になりますので、その内容をもとに、RFPを作成していきます。RFPに記載する内容はおおまかに以下です。

・システム導入の概要(導入の背景など)
・提案依頼内容(システム構成や機能、リリース時期など)
・提案手続きに関すること(提案手続き・スケジュールなど)
・開発に関する条件(開発期間など)
・契約に関すること(発注形態や支払いに関することなど)

RFPの作成は大変メリットの大きいものですが、一方で大変時間のかかる作業になります。システム担当部署だけで実施することは難しい場合もあるかもしれません。

弊社はこれまで通販システムやECなど、さまざまな事業者様のRFP作成を支援させていただきました。
「システム刷新をしたいけど何から始めたらいいかわからない」「RFPを作りたいけど日々の業務で手一杯」などでお困りの際は弊社にぜひご相談ください。

記事 : T.T

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