2025年6月4日 Y.F

製造業のDXとは

Contents

 

再春館システムのY.Fです。

ベトナムに来て1年と少し経ちましたが、いまだにベトナム語が話せません。とっても難しいです。
プライベートはともかくとして、業務ではブリッジSEをやっているので日々格闘中です。
ベトナム人のメンバーと話す機会はよくあるのですが、基本的には通訳者に会話のお手伝いをしてもらっています。
ただ、IT関連の話題が会話のほとんどなこともあり、内容次第では正確に伝わらないこともあります。
会話の内容が難しすぎると通訳者が理解できず、通訳者に理解させるために多くの時間を費やしたりもします。
ただそんなことばかりでは、作業の指示出しに長い時間がとられてしまい、効率的な開発作業ができなくなってしまいます。
そこで最近は、開発に関する指示等はメッセージアプリなどから英語を使って出しています。
メッセージアプリだと翻訳アプリを使いながら読むことができるので、通訳者を間に挟む必要がなくなり、その分スピードが上がります。
ただ、直接会話が必要な場面は必ず出てくるので、そういった場合はPCで図を書きながら、なるべく少ない言葉でかつ視覚的に伝えられるように心がけています。
ベトナム語ができないなりに、最小限のミスで効率的な作業をする方法を考えながら日々の業務に取り組んでいます。

ところで、皆様は
業務の効率化についてはどうお考えでしょうか?
今回はそんな効率化とも深くかかわりのあるDXについて、製造業の視点から語らせていただこうと思います。

 

製造業でのDX

製造業でのDXとは「AIなどのIT技術を駆使して業務のデジタル化を実現し、業務効率化の達成とそれに伴い新たなビジネスモデルを構築する」ことを意味しています。
競合他社に対して優位性を確保するためには、顧客に対して新しい価値を提供し続けることが必須といっていいのではないでしょうか。
ただ、新しい価値を生み出すことは簡単ではないでしょうし、人材不足が叫ばれる昨今では、新しい価値を生み出すために新たな人材を確保することすら困難でしょう。
そこで、今まで人が行っていた作業をAIなどのIT技術に置き換えることで、人的余裕を生み出すことができ、結果として新たなサービスを生み出す余裕も出てくるわけです。
ちなみに “DX” という単語は「Digital Transformation」の略称ですが、2文字目の“X”はどこにも書かれていませんね。
これは、Transformationの接頭辞「trans」を“X”と略す習慣からきています。
「trans」が持つ「横断する」「変化する」という意味と「X」を記号として使用する際の「変化」や「未知数」という意味が似ているため、略称としてよく使用されているそうです。

製造業でのDXは前述の通り「業務効率化の達成とそれに伴い新たなビジネスモデルを構築する」ことを意味しています。
つまり、今使用している紙や人力での作業などの “アナログ” を電子化や機械化した “デジタル” に置き換えるだけではDXを達成したとは言い難いということです。
この点を意識していないと、せっかくデジタル化したのに競合他社との競争で優位に立てない事態になりかねません。
ちなみに、上記のようなアナログのデジタルへの置き換えは“デジタイゼーション”と呼ばれます。

では具体的にはどうすればいいの? という話はまた後で詳しく説明しますので、ここでは割愛させていただきます。

 

製造業のDXが求められる背景

製造業でのDXについて簡単な説明を終えたところで、この章では「なぜ製造業でのDXを必要だと思うのか」という部分について説明させていただきます。

主なポイントは次の通りです。
1)市場環境の変化の加速
2)労働力不足と技術継承の課題

上から順に説明していきます。

1)市場環境の変化の加速
現在の市場ではグローバル化が進んでおり、特に新興国産の商品を目にする機会が増えていると思います。
グローバル市場には当たり前ですが多くの国の多くの企業が参入しています。
参入している企業が多ければ多いほどその市場の変化のスピードは速くなるでしょう。
これまでの日本企業に多く見られるほぼすべての工程を人の手で行う製造方法では、このような変化の速い市場に対して柔軟に対応することは難しいのではないでしょうか。
しかし、DXを推進することで、工程ごとに掛かっているコストや人員をデータで管理することができます。
データにて管理することで各工程に掛かる費用や時間などが数値で表されるようになるため、上記のような急速な市場の変化にも柔軟に対応することが可能になります。

2)労働力不足と技術継承の課題
少子高齢化が進んでいる現在の日本では、高齢の方を再雇用してみたり外国人人材を採用してみたりと様々な方法で人手不足を解決しようとしています。
ただ、日本の製造業は熟練の作業員による作業の属人化が進んでいるケースが多いと思います。
属人化の最大の問題は、その当事者が何らかの理由で作業の継続ができなくなった場合、別の作業者を割り当てることができず、その作業が完全に行えなくなってしまうことです。
「あの人に聞いたらわかるよ」は裏を返せば「あの人以外は会社の誰も知らない」ということでもあり、そう考えるとかなり危険な状態といえるのではないでしょうか。
DXは推進の過程で作業内容を適宜デジタル化していきます。
そうすることで作業の属人化を軽減し、特定作業者への依存解消が期待できます。
たとえ今の担当者がリタイアした場合でも、デジタル化したデータがあるので作業を続けることが可能になります。
AR/VR研修やAIカメラによる動作解析、ロボティクス/RPAによる定型作業の自動化と組み合わせることで、
担当作業者の作業内容をデジタル化できれば、デジタル化後も作業の質を一定に保つことも実現できるかもしれません。

 

製造業のDXで実現できること

それでは、製造業のDXではどのようなことが実現できるのでしょうか。
考えられることは次のようなことでしょう。

1)作業の効率化
2)コストの見える化
3)新しいサービスの創造

上から順に説明していきます。

1)作業の効率化
DXを推進するにあたり、アナログで行っていた業務のデジタルへの置き換えは必ず行われます。
デジタルに置き換えることで作業内容が作業者の人数やコンディションに左右されることがなくなり、一定のスピードで一定の品質の作業を行うことができるようになります。
デジタルでの調整で作業全体をコントロールできるので、繁忙期に作業者を雇って閑散期に作業者を手放すという人員調整も不要になるかもしれません。

2)コストの見える化
DXの対象は製造工程だけではありません。
製造に必要な材料の入荷から完成した製品の出荷まですべての工程が対象です。
また、対象を製品だけでなく人員にまで広げることで、原材料費や人件費など1つの製品を作成するために必要なコストを正確な数字で管理することができます。
作業の効率化と合わせることで、不要なコストの調査や削減にもつながります。

3)新しいサービスの創造
DXを推進しアナログ作業のデジタル化を進めると、作業者の中には自身の作業がデジタル化され、やるべき作業が無くなる作業者の方が出てくるかもしれません。
そういった作業者の方たちを新しいサービスを作成する人員へと転用することで、新たな人員を雇用することなく新しいサービスの開発を行うことができるようになります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
製造業でのDXについて少しでも参考になる箇所があれば幸いです。
弊社でもDX化に役立つサービスがあり、それ以外にも企業様のDX化のお手伝いをさせていただいた実績があります。
DXについて少しでもご興味が湧いた方は、弊社までお問い合わせいただけると幸いです。
次回は【製造業のDXのメリットと課題】と題して、製造業のDXにおけるメリットや課題について詳しくお話させていただこうと思います。

記事:Y.F

Y.F
Y.F

たまに海が見たくて、夜の青海ふ頭に行きます。
昼間はお家でゆっくり過ごすことが多いです。趣味は読書と小旅行。

この執筆者の他の記事を見る→

たまに海が見たくて、夜の青海ふ頭に行きます。
昼間はお家でゆっくり過ごすことが多いです。趣味は読書と小旅行。