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再春館システムベトナムのC.Tです。
コード自動生成の概要とニーズ
近年、プログラミングに関わる仕事をしていると、コード生成AIやコードの自動生成という話題を耳にすることも多いのではないでしょうか。
今回は、コード自動生成の概要や導入に関することについて解説していきます。
コード自動生成とは、言葉通り、従来プログラマーが手動で書いていたコードをツールやスクリプトなどを利用して自動的に生成することです。
開発のスピード向上はもちろん、人の手を介さない分、人為的ミスの削減やコードの一貫性の担保などが期待されています。
そうなれば、今までコーディングに費やしていた時間を別のタスクに回すことができ、業務全体の効率化にもつながります。
また、自動生成ツールは開発者のスキルレベルに依存しない部分もあるため、経験の浅い開発者でもより品質の高いコードを生成できることや、統一された開発環境によって、新たな開発者をスムーズにプロジェクトに参加させることができます。
その一方で、自動生成ツールの特有の注意点もあります。
複雑なロジックや誤ったコードの場合はどうしても手動での訂正が必要になることもありますし、ツールによっては学習コストがかかることもあります。
また、開発者の経験が浅い場合などは、自動生成ツールを多用することによって、コードへの理解が浅くなり、必要な修正に対応できなくなるようなこともあります。
しかし、近年、開発の多くの場面でコード自動生成ツールの需要はますます高まっています。
ツールを上手に利用することによって、業務の生産性を向上させることは、IT業界の重要な課題になっています。
また、そのような生産性の向上は、日本社会で問題となっているIT業界での人材不足などの課題に対する対策の1つにもなっていくのではないでしょうか。
自動生成ツールの種類
具体的にどのような場面で、どのようなツールが利用されているのでしょうか。
以下、自動生成ツールの一部をご紹介します。
・コードの作成
コードの自動補完、バグの検知と修正、コードの最適化。
開発やバグ修正などにかかる時間を削減できるとともに、保守性も高い一貫性のあるコードを作成することができます。
また、従来のコードから別の言語のコードに自動で変換を行ったり、実現したい機能を提示することでコードを1から作成したりするような自動生成AIも注目を集めています。
・プロジェクトの環境設定
利用するライブラリやフレームワーク、データベース接続情報など様々なプロジェクト情報をもとにした環境設定ファイルやビルドスクリプトの生成。
セットアップの効率化や、環境の一貫性につながります。
・テストコードの生成
テスト仕様書やソースコードの情報から単体テストや結合テストのコードの生成。
テスト対象(APIかUTベースかなど)やコードによって、多種多様なものがあり、利用料金や習得難易度などの違いもあります。
カバレッジの向上や、複数人での作業の場合は品質の一貫性を担保することができます。
・ドキュメントの生成
ソースコードや仕様書からのAPIリファレンスの生成や、データベースやクラス定義からのデータモデル図の生成。
更新漏れや見落としなどの発生を防ぎ、ドキュメントの正確性を保つことができます。
導入のメリット
コード自動生成のメリットは、以下のような点が挙げられます。
まず、開発の効率化です。
手作業だと、どうしても時間がかかったり、時にはミスが発生したりすることもあります。
自動生成ツールを利用することにより、開発のスピード向上やバグ修正などに費やす時間を削減することができます。
また、プロジェクトによっては、仕様変更に合わせて何度もコードやドキュメントを修正するような機会があります。
そのような場面でも手作業で発生しがちな更新漏れや見落としなどが発生することなく、効率的に作業を実施することができます。
次に、コードの一貫性の担保です。
チーム開発をする上で複数人が手動で開発を行った場合、どうしてもコードにはばらつきが出てしまいます。
当然ながら、チーム開発においては一貫性をある程度保つために、命名規則やコーディングルールなどを設定すると思いますが、それでも開発者自身のスタイルやルールの漏れなどが発生することで、一貫性を保つことが難しい場面もあります。
しかし、自動生成ツールを利用することで、複数人での開発であってもスタイルやルールの統一をすることができ、より可読性や保守性の高いコードにすることができます。
まとめ
コード自動生成ツールは、多くのメリットがあり、今後ますます需要も高まっていくことが期待されています。
また、自動生成ツールの種類と例でも紹介しましたが、開発の中で自動生成ツールを利用できる機会も多岐に及びます。
次回は、自動生成ツールを実際に利用する場面を更に細かく解説するとともに、導入の仕方の例などを紹介していきます。
記事:C.T