2023年8月18日

現場業務のDX 現場の特性と実現できること

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こんにちは。
今回は私が携わったDX(ペーパレス課題)のご提案を通して、特に現場におけるDXの課題と、それに対して弊社からのご提案やお客様内でとっていただいた工夫等をご紹介したいと思います。

現在、業界では、よくテーマに取り上げられる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、Wikipediaや色々なサイト・ブログ等でその概念や手法が解説されていますが、「いざ!やってみよう」という段階で、具体的にどこから手を付けたら良いか分からない。や汎用的なデータ管理ツール、各種オートメーションツールによって一定の電子化できたが、現場にはまだまだ紙が溢れている…といった状況はありませんか?

実際にヒアリングをしてみても工場や接客、営業等の毎日稼働する現場では、日々の作業で発生する紙帳票が蓄積され続けています。
会計・経理や管理業務と言った内部業務と異なり、千差万別の現場業務ではDX化が遅れる傾向があり、そう言ったお悩みを抱えたお客様からのご相談も非常に多くなっています。

現場の抱える問題

それでは、そのDXが遅れる原因となる問題は、具体的にはどのような内容のものが多いかを見てみましょう。

・千差万別の業務運用
DX化が進まない現場業務の特徴としては、画一化されたパッケージシステムの導入が困難ということがあげられます。
そのような場合、DX化の道のりは困難なものになります。いわゆる「パッケージに業務を合わせる」とうプロセスが発生するからです。
会社が独自固有に作り上げた業務プロセスは、経営理念から直結された設計になっている場合も多く、そのプロセスの変更には多大なエネルギーを必要とします。場合によっては会社の強みを失ってしまう場合もあり、そのような致命的な業務プロセスの変更を回避しつつDX化を図るには非常に緻密な業務設計と専門性の高いプロジェクト管理が必要となり、推進に慎重な企業様も多いのではないでしょうか。

・取引先の問題
全ての企業活動を自社あるいはグループ会社のみで完結できる会社は多くありません。
そうなるとDX化とは自社内だけの問題ではなくなり、取引先様にも影響を及ぼします。
自社だけであればDX化を進めることができるのに、相手先にFAXを求められ、紙での報告書が上がってくる。このように、委託先までシステムの利用をお願いできない等、自社で完結しない業務の場合、電子化(ペーパレス)やプロセスの変更が難しくなってしまいます。

・現場志向
現場業務に従事する方は、良くも悪くも「現場志向」が強い傾向にあります。それは、内部業務と比較し、実際の「お客様」や「製品の品質」「稼働率」といった企業価値と直結する部門故の考え方でもあり、安易に否定もできません。
現場従事者は業務プロセスを変える事によってこれらの業務に影響が出ることを懸念し、DXに慎重な傾向があります。

紙運用におる課題

現場におけるDXとは多くの場合で「紙」をなくすことです。
前回のブログ「どうして手書き?再春館システムの新サービス「SHIORI」とは」でも触れましたが、紙への手書きという手段は手軽で汎用性が高く、誰でも出来るといった点において非常に優秀な手段であり、多くの現場で今でも利用されています。
一方で、紙運用には多くの課題も存在します。
個別の問題点をケース毎に書き出すと切りがありませんが、課題として要約すると以下のような課題をお持ちではないでしょうか。
・記入に抜け漏れが発生する、また、そのチェックに手間と時間を要する
・手書き帳票をデータ入力する別工程が発生している、又は属人化したままになっている
・紙を運ばなければ情報伝達が止まりボトルネックとなる
・紛失や盗難により個人情報、機密情報保護のリスクがある
・保管場所や様式変更に伴う在庫処理等の物理的コストやスピード感の低下
このような課題に対して、紙運用の電子化といったDXは課題解決の手法としては有効なアプローチとなります。

出来るところから着実に

以上のとおり、現場におけるDX推進には様々な問題がありますが、紙運用業務においては手書き運用のままで、問題が未解決のままの現状が多くあります。
DXと一口に言ってもその領域・範囲は様々です。
全てを一度に電子化ができればもちろんベストですが、やはり実務への影響が大きく、大規模なプロジェクトとなってしまい実行に踏み切れない状況もあります。
我々がDXのご相談をいただいたときは、最初にやるべき大切なこととして、一足飛びに全てを変えていく事ではなく、「なぜDXを行うのか」の目的を定め、KGIとKPIを設定し着実に進めていくことをご提案しております。
※弊社のお客様へのDX提案やシステム刷新に関するご相談、コンサルティングについては、また別記事で取り上げたいと思います。

お客様の工夫

目的とKGI・KPIが明確になってくるとお客様でも柔軟な対応が可能となります。
最終的なゴールに向け、過渡期となる時期とその時点における運用イメージ・その対処方法が明確になることで、漠然とした不安から実現可能なタスクへと落とし込むことが可能です。
今回、お客様の工夫を紹介する企業様のテーマは、ペーパレスが課題だったのですが、前述した取引先様との関係によってDXが進まない問題を抱えておられました。しかし今回、このお客様は、「初期段階では、アウトプットは紙でも構わない」として、全てをペーパレス対象とするのではなく、部分的な対応でも効果が発揮できる部分さえあれば良しとし、まずインプット工程を電子化するという方針を打ち立てました。最終的にはダウンロード対応やタブレット上での承認/決済処理を目指し、紙と併用しながら少しずつ取引先様と実務担当者の理解を得ていく事も視野にいれております。
このように、DXの推進は二律背反ではなくアナログ対応とデジタル化を同時進行で進める事も可能です。このような対応の場合は急激な運用変化を抑止することもでき、周囲からの理解も得られやすいメリットもあります。
一部業務からのDXであり、紙を残すという選択ではありましが、現実にはインプットの電子化によってデータ作成の大幅な効率化や基幹システムへの連携によって、この時点まででも大きな効果を得ることができました。

DXにSHIORIという選択

今回ご採用頂いた弊社サービス「SHIORI」は、これまでの帳票イメージそのままで、記入先を「紙」から「タブレット」に変更するだけの小さなDXの取り組みとなります。ですが、これだけで上述の課題のほぼ全てを解決することができるのです。また、DX化の根幹である「データ活用」の分野においても、入力先をタブレット「SHIORI」にすることで中間処理を必要とせずに手書き情報のデータ化が可能になるのです。データ化は業務の属人化を防ぎ、ノウハウの共有/ナレッジ化にも寄与し、業務品質の向上にもつなげる事が可能です。まずは小さなDXを、SHIORIで始めてみませんか?

■ペーパレス支援 SHIORI 
https://https://www.shiori-online.com/

記事 : S.S

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