2023年1月31日

CRMの昔と今と未来

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昔のCRM

CRM(Customer Relationship Management)と聞くと割と最近(1990年代くらいから)をイメージしませんか?
しかし、CRMは古くからその考え方がすでにありました。
日本の江戸時代の大福帳(※)もCRMを目的としたものです。
CRMとは要は顧客管理なので、自社の顧客との関係性を良好にし、自社を優先的に選んでいただくことだと考えます。

そんなCRMですが、概念や考え方はテクノロジーの発展とともに相当変わってきております。
ですが、本質的な「顧客との関係性を良好にする」という部分は変わらないと思います。

昔と言いながら、インターネットが一般的になった1990年代後半から2000年代前半のCRMを振り返ってみましょう。

※大福帳:江戸時代・明治時代の商家で使われていた帳簿の一種で、売買勘定の元帳。得意先ごとに口座を設け、取引状況を明らかにしたもの。

1990年代後半〜2000年代前半
この時期はインターネットの回線も今のように高速でなく、テキストでのやり取りが基本だったかと思います。
物珍しさもあり「インターネット」をやっているというだけで特別感がありましたね。
企業側もこの頃は、インターネットでのCRMというよりも企業からの情報発信がメインでの使われ方でした。
また、顧客同士がコミュニケーションを行えるようなコミュニティサイトなども各企業が運営していましたが、CRMというよりはあくまでも顧客サービスの一環といった色合いが強かったと思います。

2000年代後半〜2010年代前半
2000年代後半になると「WEB2.0」といった言葉を頻繁に見かけるようになりました。
「WEB2.0」の定義の詳細はここでは割愛しますが、「大容量回線が増えてきた」、「一般的なネット利用者でも発信者が増えた」というのが、特徴かと思います。

このころになると、各企業はメール(いわゆるメルマガ)でのCRMを行うことが一般的になっていましたが、精緻な顧客属性に応じてというよりも、比較的マス(一般大衆)向けに配信することが多かったと思います。
このころはとにかくメールを見てもらおうとありとあらゆる手段で、今考えると明らかなスパムメールのようなことも行っていました。
母数が大きくなれば、リターン率は低くても実数はそれなりに取れるという考えのもと、とにかく配信量を増やすことを各企業が行っていました。

今のCRM

2010年代後半〜現在
2010年代後半ともなるとテクノロジーの発展が目覚ましく、マスというよりも顧客の属性に応じてきめ細かいフォローが行えるようになってきました。
「○○という商品を○日以内に購入した顧客への配信」など、各企業の勝ちパターンに沿ったフォローやメール配信ができるようになりました。
特に、ECサイトだけでなく実店舗での購入データとの掛け合わせなど、オンライン・オフライン問わず一人の顧客として捉えることができるようになったのもテクノロジーの発展だと考えています。

また、過去に流行ったコミュニティサイトもテクノロジーの発展とともに様相が変わってきています。
メタバース空間にコミュニティを構築して、よりインタラクティブなコミュニケーションやその場で購入できるなど、オンラインでの表現力が上がってきています。
同時に、オフラインでのCRMやコミュニケーションも、より一層大切になってきていると思います。
例えば、普段はオンラインでしか購入しない顧客がオフライン(実店舗)で購入する際にも「個」を見て対応できるようにデータを一元管理し、オフラインならではの接客(おもてなし)を行う事が可能になります。

未来のCRM

先述したとおり、今までは比較的マス向けのCRMがメインでした。
これからはテクノロジーの発展とともに「個」に対するCRMがメインになるのではと考えています。
とは言え、オンライン上のデータでは過去の実績や傾向はつかめますが、「これから」を把握することは難しいというのも現実です。
それ故に「実績や傾向」をもとに仮設が立てられる力が非常に重要になります。

また、企業側からの発信だけでなく、顧客側からの発信を容易に吸い上げられる仕組みや体制・システム構築も重要になるでしょう。
チャットもボットだけでなく、有人対応のチャットなど、最新のテクノロジーを利用しつつも人間(マニュアル)での対応も行う必要があると考えます。

記事 : T.P

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