2022年10月19日

仮想化環境(vSphere)のバックアップについて

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昨今クラウド環境の利用率は増加傾向にありますが、それでもオンプレミスのサーバ仮想化環境を利用している企業様はまだ多いのではないでしょうか。オンプレミスはクラウドと比較して運用面においても技術的なハードルが依然として高いかと思います。オンプレミス環境でもユーザビリティが高く、運用しやすい製品がございますので今回はオンプレミスの仮想化環境上のバックアップのソリューションについてご紹介します。VMware vSphereで構築された仮想化環境のバックアップの基盤をリプレイスした事例とその製品をご紹介いたします。今回紹介する製品はAWSと連携して使用することが可能です。

前提環境

リプレイス対象のバックアップ基盤がバックアップ対象としている仮想化環境の情報は以下となります。今回のバックアップ対象は仮想化環境上で稼働している仮想マシン(VM)となります。

〇VMware vSphere仮想化環境
 ・vCenter Server Appliance 1台
 ・VMware ESXi 約10台
 ・仮想マシン 約200台
〇バックアップ環境
 ・バックアップサーバ1台
 ・バックアップ用ストレージ1台

バックアップの課題

既存のバックアップ基盤には以下の課題がありました。
 ・仮想マシン数の増加に伴うライセンス不足
 ・データ量の増加に伴うストレージ容量不足
 ・バックアップサーバのランサムウエア対策が未対応
 ・バックアップストレージのサポート期限切れ
 ・保守運用面で技術的なハードルが高い

既存のバックアップ製品はバックアップ対象の仮想マシン数単位でのライセンス数が必要です。事業部門の要望にそって仮想マシンを追加作成する機会が多く、都度ライセンス購入が必要となりますが、バックアップのライセンス費用の予算が確保されておらずバックアップ対象にできないことがあります。また、仮想マシン数の増加に伴いバックアップ用のストレージの容量が逼迫している状態でした。

近年はランサムウエアに感染することによる、データ暗号化の被害のリスクが問題視されています。ランサムウエアの感染によりデータが暗号化されてしまった場合はバックアップから復元するという方法も選択肢としてありますが、バックアップサーバが暗号化されてしまった場合は復元することができなくなるため対策が必要です。

これまで、導入実績のある比較的オーソドックスなバックアップ製品を運用していましたが、バックアップ設定の追加や設定のオペレーションを実施するには技術的なハードルが高く有識者のみで対応してきており、時間が経過するにつれて俗人化が進んでしまうという事も課題の一つとなっていました。

これらを踏まえ、バックアップ基盤の更改の検討に入りました。

次世代のバックアップ基盤(Rubrik)について

〇次世代のバックアップ基盤に求める要件
現バックアップの課題を考慮して以下を要件としてまとめました。
 ・保守運用面の技術的なハードルが低い
 ・ライセンスが仮想マシン単位ではないこと
 ・ランサムウエア対策ができている

バックアップ製品を比較検討した結果、Rubrikという製品を提案して導入致しました。


製品名 :Rubrik r6408S
Rubrik社公式サイト : https://www.rubrik.com/ja
Rubrikは以下の特徴があります。
 ・バックアップアプライアンス製品
 ・永久増分バックアップ対応
 ・バックアップ設定が簡単
 ・AWSなどのクラウドサービスに連携

新バックアップ環境概要図
これまでの製品はバックアップサーバとは別にバックアップ先のストレージが必要でしたが、Rubrikは物理アプライアンスでありバックアップストレージが内蔵されているためシンプルな構成となります。バックアップ初回取得時のみフルバックアップが取得されます。 それ以降は常に増分バックアップとなるためバックアップ取得時間を短縮することが可能です。シンプルで非常にわかりやすい管理画面であり直感的な操作でバックアップ設定や変更が可能です。RubrikはvSphereの管理用サーバであるvCenterServerと連携するため、仮想サーバのバックアップ設定を効率よく一元管理することが可能です。
AWSなどのパブリッククラウドサービスと連携が可能であり、オンプレミスのバックアップデータをS3へレプリケーションすることも可能です。導入した製品については現在も正常に稼働しており、運用担当者からは使いやすく便利な製品だという報告を受けております。
製品選定において他社製品との比較表を参考に記載いたします。

Rubrik 製品A
システムバックアップ
DBバックアップ
システムバックアップ
仮想マシンバックアップ
ファイル単位リストア
インスタントリカバリ
永久増分バックアップ
構成のシンプルさ
物理アプライアンス1台のみの構成
×
WindowsServerやストレージなどが必要
保守性
1台のみであるため管理しやすい

サーバやハードウェアが複数あるため管理対象が多い
操作性
GUIが直感的に操作できるため属人化しにくい
×
細かい設定ができるがスキル取得が必要
クラウド連携
AWSへのバックアップ、リストア可能

AWSへのバックアップ、リストア可能
ランサムウェア対策
製品専用のファイルシステムを利用しており、
製品以外からファイルを識別できないため堅牢
×
サーバがWindowsServerであるため感染リスクあり
拡張性
NASを拡張領域として利用可能
スケールアウト可能

バックアップサーバやストレージ追加が必要

まとめ

今回はバックアップ製品のリプレイスについて、ご紹介いたしました。
弊社では、お客様の現状の運用課題を詳細にヒアリングさせていただいたうえで、最適な製品を比較検討し、ご提案いたしますので、お気軽にご相談いただけましたら幸いです。

記事 : S.H

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