2023年2月10日

オンプレミス経験者が知っておくべきAWSのメリット・デメリットとは?

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はじめに

これまで数回にわたりAWSに関するブログを公開してきましたが、 今回はAWSを利用した正直な感想を書かせて頂きたいと思います。
私自身はもともとオンプレミスのインフラ技術者としてキャリアをスタートしております。物理サーバの設計構築、VMWare vSphereなどの仮想化サーバの設計構築、AIXやLinuxサーバの設計構築、Oracle RAC設計構築などをメインに担当していた時期もあり、当初はクラウドサービスそのものに懐疑的なイメージを持っておりました。
そういう背景から実際に技術習得して利用してみてどうだったのか正直な感想をお伝えしたいと思います。これからクラウド利用を検討されている方の参考になれば幸いです。

AWSを習得した経緯

私が所属していた部門では、当初AWSは一部のWEBサイト用サーバとして利用している状況で構築・保守の業務は外部のベンダーが提供するサービスに委託していました。
その後、重要性が高いECサイトのインフラ環境をAWSに移行することになり、引き続きベンダーを利用する運用を継続することとなりました。
しかし以下のような課題が出てきて、調達期間が短く柔軟に素早く設定変更ができるというクラウドのメリットが活かせていない状態となっていたため、自分で実施すれば課題が解決できるのではと考えて技術習得することにしました。
 
【ベンダーによる運用の課題】
・EC2などのサービスを追加設定導入する際はベンダーに注文する必要があり、それに加えて作業期間が必要で調達に時間を要していた
・数分で対応できる簡易的設定変更の場合も作業依頼をする必要があり対応まで時間を要していた
・作業依頼するにあたり認識の齟齬が発生することがあり、戻り作業が発生することがあった

数年前に自社での設計、構築、運用する体制に切り替えたことで上記の課題はすべて解決し、現在では社内にAWSのノウハウが蓄積され技術者数も増えており、AWSの新しいサービスや機能についてもPoCを実施してスピーディに技術を習得して本番運用できるようになっております。
さらに、お客様に対してもAWS環境の導入運用サービスを提供できるようになりました。同時に導入運用サービス提供時には、上記の私達が感じた同じ課題感をお客様が持たれないよう心がけて来ました。その結果、導入運用サービスを利用して頂く実績が、順調に増えております。

実際にAWSを利用して感じたメリット・デメリット

AWSなどのパブリッククラウドサービスを利用することで、これまでストレスに感じていた非生産的な業務から解放され重要な業務に時間を割り当てることができるようになったというのが一番大きなメリットと感じています。私が感じたメリットとデメリットを簡単にまとめてみました。

・メリット
1. ハードウェアの障害対応やランプ確認など非生産的な業務から解放される
2. 従量課金でスモールスタートが可能なためトライアルがしやすい
3. ドキュメントや公式の無償セミナー、有識者のブログなど技術情報が多く技術習得や調査がしやすい
4. 新しいサービスの発表や機能追加の頻度が多く、最新技術が気軽に利用できる面白さがある

・デメリット
1. オンプレミスと物理的に距離がある場合はネットワーク起因でパフォーマンスが低下する場合がある
2. RDSなどのフルマネージドサービスでバージョンアップが強制される場合があり、アプリケーションの互換性を維持するための対応が必要となる

これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、AWS関連の技術習得の難易度について申しますと、オンプレミスの仮想化環境に関する技術や知識、ネットワークの基本的な知識を持っていれば、かなりの速さで習得でき、理解できるのではないかと実感しています。

オンプレミスしか経験が無い方に伝えたいこと

AWSには無料利用枠があります。まずはアカウントを作成して触ってみることをお勧めします。また、ハンズオンのセミナー等も開催されていますので活用してみてはいかがでしょうか。弊社でもAWSに関するサービス・導入支援を提供しておりますので、お気軽にご相談頂けますと幸いです。

記事 : S.H

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