2023年1月18日

AWSのコスト管理について

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今回はAWSのコスト管理の方法についてご紹介致します。
AWSの利用料金は従量課金制となっており、利用した分だけの費用が発生するため毎月の請求額が変動します。AWSの利用を検討している中でAWSのコスト管理方法を気にされる方も多いのではないでしょうか。今回はAWSアカウントを管理した経験に基づいて、コスト管理についてご紹介致します。

AWSのコストについて

AWSの費用は利用した分だけ支払う従量課金制の仕組みとなっています。
オンプレミスの場合はサーバ機器やネットワーク機器、回線、電源設備など多額の初期費用が発生します。AWSのようなクラウドサービスの場合は初期費用が発生せずにサービスを利用した分だけの課金となります。
その反面、サイジングや構成により想定外に費用が増加してしまう場合があるため、運用においてコスト管理は重要な位置付けとなります。利用料金は以前は米ドルで決済されていましたが現在は日本円で決済されます。ただし利用額は米ドル建てとなり、決済タイミングでの為替レートで日本円での決済額が決定されますので、為替レートも利用料金の変動要因の一つとなります。

AWSの利用料金見積りについて

AWSで新規にシステムを構築する場合は、まず初めにAWSの利用料金を見積もることをお勧めします。AWSの公式サイトには、EC2の利用料金として課金対象となる項目の記載が複数あります。インスタンスタイプやディスクサイズ、データ通信料等がコストに含まれるため複雑となり、サイトの情報だけで金額を見積るのは面倒に感じるのではないでしょうか。
参考URL)
https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/on-demand/

AWSが公式に提供しているAWS Pricing Calculatorという見積りツールがありますので、こちらを利用することをお勧めします。リージョンやサイズ、数量等の情報を入力すると利用料金を計算してくれるツールとなります。
これまで利用した実績として、見積り金額と実際の支払いは近しい金額となっていたため、概ね正確に費用を見積ることが可能です。
参考URL)
AWS Pricing Calculator:https://calculator.aws/#/

コストの確認方法

AWSマネジメントコンソールからのAWS利用料金の確認方法をご説明します。

・請求ダッシュボード
AWS Management Consoleから毎月の請求書を取得することができます。
また当月の利用料金の予測や前月との比較、料金の傾向も確認することが可能です。

・AWS Cost Explorer
AWSの費用を可視化するサービスです。サービスやインスタンスタイプ、コスト配分タグごとの金額を確認したり、どの部分でコストが発生するか詳細に確認したりすることができます。
参考URL)
https://aws.amazon.com/jp/aws-cost-management/aws-cost-explorer/

・AWS Budgets
AWSの設定不備やオペレーションミスにより、AWSの利用料金が莫大な金額となってしまうリスクがあります。AWSアカウント作成後にコストをモニタリングおよびコスト監視の設定を入れることをお勧めします。 
上記でご紹介しましたAWS Budgetsというサービスを利用することで、あらかじめAWSの毎月の予算及び閾値を設定でき、閾値に達するとAmazon SNSを使用してメールやSMSで通知することか可能です。
参考URL)
AWS Budgets:https://aws.amazon.com/jp/aws-cost-management/aws-budgets/

コスト監視設定:
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonCloudWatch/latest/monitoring/monitor_estimated_charges_with_cloudwatch.html

AWS利用料金の支払い方法

AWSの料金の支払い方法は基本的にはクレジットカードでの決済となります。AWSアカウント作成時にクレジットカードの登録が必須です。
システムの規模が大きい場合はAWSの利用料金も高額となる場合があるかと思いますが、クレジットカードの限度額を超えて決済に失敗することもありますので注意が必要です。
また、下記のリンクに記載があるように毎月の利用料金が高額(2,000ドル)程度になった場合は送金に切り替えることができるようです。
参考URL)
https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-faq/

コストを抑えるには

AWSのコストを抑えるには以下の方法が考えられます。
AWS利用料金はEC2やRDSの利用料金が大部分を占めている場合が多いかと思います。

・EC2やRDSのインスタンスタイプの見直し
CloudWatchのメトリックスなどからCPU使用率やメモリ使用量等のリソース状況を確認し、オーバースペックである場合はインスタンスタイプを下げることにより料金を下げることが可能です。

・リザーブドインスタンスを利用
リザーブドインスタンスはEC2やRDSの利用料金を1年や3年で一括払いするタイプのインスタンスです。通常の料金(オンデマンド)よりも割安となります。
参考URL)
https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/reserved-instances/

・可能であれば夜間や休日は停止(自動停止が望ましい)
土日祝日や夜間利用しない場合はEC2やRDSインスタンスを停止させておくと利用料金を抑えることができます。ただし、上記のリザーブドインスタンスを購入した場合は一括で支払うことになるため停止させるメリットはありません。

・サーバレスでの構築
EC2やRDSなどのIaaSはサーバの起動時間に応じて課金されますが、LambdaやDynamoDBなどのサーバレスに用いられるサービス群はリクエスト数やデータの読み書き回数など、利用回数に応じて課金されます。そのため、サーバレスは利用頻度が少ないシステムなどにおいては、EC2・RDS等に比べて割安となることがあります。
また、OSやミドルウェアの運用管理が不要になる点もコストメリットの1つです。

おわりに

弊社ではAWSの運用保守やシステム開発の実績がございますのでAWSのコスト管理も日々の業務で行っております。実経験をもとにご支援・アドバイスさせて頂くことが可能ですので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

記事 : S.H

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