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再春館システムベトナムの T.M です。
近年、特にコロナ禍を境に電子商取引(以降、EC)の市場は目覚ましい成長を続けていると感じております。
日本における1年以内のEC利用率は全年代で80%を超えるといったデータもあり、今では周りでECを利用したことがない人を見つけるほうが難しいかもしれません。
また、SNSの普及にも特に強い関連性があり、SNS経由でのEC購入率は60%に昇るなど、ECは時代にマッチした商取引となっていることが伺えます。
参考:https://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2023/06/H20230627-1.pdf
私の在籍している拠点のベトナムでも、日本と同じように若い世代を中心としてEC利用率は増加の一途を辿っています。参考までにベトナム国内における年ごとの利用率は下記のようなデータもあります。
この背景には急速なスマートフォンの普及や中間所得層の拡大、政府主導でのIT・EC促進などがあげられるようです。
ベトナム国内におけるEC利用率
2020年:18%
2021年:45%
2022年:61%
2023年:72%
しかし、その一方で、競争の激化や消費者のニーズ変化など、ECを取り巻く環境は大きく変化しています。
特に、ECサイトプラットフォームは、EC運営者にとって重要な選択肢の一つとなっています。
それぞれのプラットフォームには異なる特徴があり、商品やターゲット層、技術力などに合ったプラットフォームを選択することが重要です。
次章以降では、現在の主だったプラットフォームの紹介を皮切りに、弊社で開発実績のあるEC-CUBEについて言及していきたいと思います。
選択肢となるECプラットフォーム
一般的なEC(カートに追加し、注文)を始めるには、まず専用のEC販売サイトを立ち上げるためのECプラットフォームの選定が必要となります。
選定対象プラットフォームは、販売方針によっておおまかに以下のパターンに分類されます。
・モール型ECサイト(Amazon、楽天 etc.)
・カートASP型ECサイトプラットフォーム(Shopify、BASE etc.)
・パッケージ型ECサイトプラットフォーム(EC-Cube、Magento etc.)
・フルスクラッチ(ゼロから新規で全画面・全機能を作成、構築)
ある程度のサイトカスタマイズ性を有した自社サイトを持つという点を念頭に、フルスクラッチほどの手間・予算をかけたくはない場合、ファーストチョイスとなるのはカートASP型かパッケージ型の導入になるかと思います。
この2つを比較した場合のおおまかな特徴・違いは下記となります。
【事例紹介カートASP型ECサイトプラットフォーム(Shopify、BASE etc.)】
・サーバー管理やソフトウェア更新などの運用・保守作業をサービス提供元が行うECサイト構築サービス
・導入コストが低く、立ち上げが早い
・運用・保守は不要だが、カスタマイズ性が低い
・迅速な立ち上げ、運用負担の軽減に適している
【パッケージ型ECサイトプラットフォーム(EC-CUBE、Magento etc.)】
・オープンソースなどのECパッケージを用いて、自社サーバーにECサイト構築
・導入コストが高いが、カスタマイズ性が高い
・自社で運用・保守が必要となるが、ソースを直接編集できるためカスタマイズ性が高い
・高度な機能、カスタマイズ性、長期的な運用に適している
複雑な機能や独自機能が不要でなるべく早くサイトを立ち上げたい場合はカートASP型、カートASP型では実現できない機能や長い目線で見たカスタマイズ・拡張性を重視する場合はパッケージ型が選定基準になってきます。
※カート型ASPでも、Shopifyなどは要件次第でプラグイン開発によってある程度の独自機能実装は可能です。
ちなみに再春館システムではグループ会社である再春館製薬所の製品販売ノウハウに基づいたフルスクラッチ開発はもちろんのこと、ベトナムオフショアを用いたShopifyやEC-CUBEの開発実績・ノウハウがあるため、ご予算に合わせたプラットフォームの選定・提案が可能です。
EC-CUBEを選ぶ理由
カートASP型ECサイトプラットフォームの代表格であるShopifyについては過去ブログでも詳細を取り上げましたので、今回はパッケージ型ECサイトプラットフォームの代表格であるEC-CUBEについて取り上げます。
数あるパッケージ型ECサイトプラットフォームの中でのEC-CUBEが選ばれる理由(優位性)はいくつかあります。
参考までにShopifyと比較して下記に列挙します。
1. 日本国内における高いシェア率
国産ということで日本国内でのシェア率は20%を超えており、これは国内トップ水準となっています。
この高いシェア率は以降の優位性を語る上でも重要な点です(日本語リファレンスが多いなど)
Shopify:日本国内でのシェア率は20〜30%で、EC-CUBEと人気を二分している。
2. 高い拡張性と自由度
EC-CUBEはオープンソースソフトウェアであり、ソースコードを自由に編集することで、高度なカスタマイズが可能です。
そのため、自社ニーズに合わせた機能追加やデザイン変更など、幅広いカスタマイズが可能になります。
Shopify:ソースを編集してのカスタマイズは難しく、基本的には決められた設定項目に従ってサイトカスタマイズを実施する必要があります。
3. 豊富なコミュニティと情報量
EC-CUBEには活発なユーザーコミュニティが存在しており、フォーラムやSNSなどで情報交換や技術的なサポートを受けることができます。
また、日本語メインでの公式ドキュメントやチュートリアルも充実しているため、比較的簡単に導入・運用することができます。
Shopify:同じようにコミュニティは活発だが、アメリカ発ということもあり、リファレンスや問い合わせなどに英語が必要になる場面が多々あります。
4. 豊富な拡張プラグイン
EC-CUBEには、公式・非公式合わせて数多くの拡張プラグインが公開されており、様々な機能を追加することができます。
カスタマイズ性の高さから自社ニーズに合わせたものを開発することも可能です。
また、他社製のプラグインであっても、ライセンス次第では改変可能です(要確認)
Shopify:世界的に利用されているためプラグイン自体は豊富です。ただし、前述の通り最低限の英語の知識が必要なのでハードルが高めです。
5. 信頼性の高いセキュリティ
EC-CUBEはオープンソースソフトウェアでありながらも、セキュリティ対策に力を入れています。
多くの有名企業でも採用実績があり、この点からも信頼性の高さが伺えます。
また、公式による定期的なアップデートや脆弱性対策も実施されています。
※ただし注意点として導入後の定期アップデート適用はユーザー側で実施する必要があります
Shopify:基本的には公式がサイト全体を保守・運用するため、セキュリティ面は信頼性が高い。
6. コストを抑える
EC-CUBEはオープンソースソフトウェアなので、ライセンス料は不要となります。
サーバー費用やドメイン費用などのランニングコストは発生しますが、カートASP型ECサイトと比較すると月額費用等が発生しない分、長期的な運用ではコストを抑えることができます。
Shopify:月額$25〜$2,300までのプランを選択することが可能です。
これらの点が、国内でEC-CUBEが多く選ばれている理由になります。
なお、上記はあくまでEC-CUBEの優位性の紹介であり、Shopifyにも優れた点があることをご理解ください。
まとめ
今回は現在のECサイトプラットフォームの概要と、その中でもEC-CUBEが選ばれている理由について言及してみました。
EC隆盛のこの時代に多くの人から支持されるということは、やはりそれだけの理由があり、また常に進化し続けているからこそです。
私たち再春館システムも、お客様にとってそういった存在になれればと願っています。
もし、EC-CUBEで自社サイトを構築してみたいということであれば、何かしらのお力添えができるものと考えておりますので、ぜひご連絡いただければと思います。
次回は実際に開発する観点から、EC-CUBEに対してもう少し踏み込んだ内容を執筆予定です。
記事: T.M