2024年11月20日 T.H

ペーパーレスの検討について

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ペーパーレスについて

こちらの記事にご興味頂いた時点で、ペーパーレスのことを予めご存じかと思いますが、改めてご認識が間違っていないかのご確認をお願い致します。

・ビジネスにおける文書を「紙に印刷」することなく、電子化(データ化)して活用すること
・コスト削減、業務効率向上、セキュリティ対策強化など

概ね上記が挙げられますが、 閲覧して頂いている方の認識と相違ないでしょうか?
これら以外にもメリットもありますが、当然のことながら全てがメリットではありません。
デメリットについても以下に記載していきますので、導入をご検討の際には実務・運用に耐えうる内容なのかを今一度おさらいして頂けると幸いです。

 

メリット/デメリットについて

〇メリット

1.印刷のコスト削減
印刷する際に必要となる物を挙げていくと
 ・印刷機材(本体、インク、ネットワーク環境もしくはUSB)
 ・用紙
が主なものになりますが、導入箇所が多くなればなるほど、当然必要なものの数も増加していきます。
また、保守やインクの入れ替えなど(都度、人が対応しないといけなくなります)も含めて、ランニングコストも発生します。

ペーパーレス化することで、上記の印刷機材・用紙が当然無くなることはお判りいただけると思います。
ただ、代替えとなるデータサーバ(もしくはローカルPCやUSBメモリ)などは最低限必要になります。
用紙の代わりに、電子化(データ化)したものを「どのように運用」するかによっては、メリットよりもデメリットに代わる点があるので、一概に導入すれば良いと言うことではありません。
※当然、電子化したデータの定期的なバックアップ保存も必要になります。

2.書類探しの簡易化
当然のことながら、用紙の場合は バインダーやキングファイルなどに束ねたり、段ボールなどに入れたり、外面に日付や書類の内容を記載して倉庫などに保管されていることと思います。
この場合、探すのは非常に困難ですし、原本自体を触ることになるので非常に注意が必要でした。
上記にも少し記載しておりますが、 ペーパーレス化した場合は電子化(データ化)した情報になっているので、簡単に「ファイル(名称)検索する」ことで、いち早く必要な書類を見つけることが出来ます。
また、この時に名称などには ある程度の規約、あるいは名付けの「ルール」を作ることで 更に見つけやすくなりますので、 導入の際にはこちらにもお気を付けください。

3.回覧の簡易化
承認を得るために紙書類を回覧するという業務は、電子化されることで簡素化が可能になりますが、これについては情報流出の問題にも直結することなので、セキュリティをよく検討した上で導入しなければなりません。
ただ、日常的に実務・運用で使用する機会が多いと思うので、回覧権限についてはそこまで過度に考えてしまうとかえって利便性を損ねる可能性もあるので要検討です。

4.保管スペースの削減
保管スペースも同様に、ペーパーレス化することで不要となります。
倉庫や事務所の費用圧縮や、使用可能なスペースが生まれるので、その転用後の事柄も考慮することで、メリットを最大限に活用できると思います。
先だって、何に充てるかもご検討ください。

 

×デメリット

1.閲覧操作に問題が生じることがある
職種・業務内容に大きく左右されますが、電子化された情報を閲覧するということは、その操作性も含めて、全てのユーザーに対して満足頂ける形にすることは難しいと思っています。
例えば両手になにかを持ちながら閲覧することや、手が汚れていてパソコンなどの機器を触れることができない状況など。
(いずれは補助デバイスなどが出て来るとは思いますが)

2.導入コストが高い
様々な現場を見る限り、複数種類のシステムが存在し、他社システムとも連携している場合も多く見て取れます。
ペーパーレスの仕組みを導入する際にすべてのシステムに対応しなければならないなど、考えてもいなかった導入コストが掛ったりする場合もあります。
導入前には現在社内で使用しているシステムが ペーパーレス化することでどの様に関与するかを前もって調べておく必要がありますので、ご注意ください。

3.天災、故障などの影響を受ける
昨今の日本国内では、大規模災害の頻度が高く感じられますので、それらの影響をうけることも考慮しておく必要があります。
台風(地震含む)などの影響で 生活インフラは当然ですが、ネットワーク回線が遮断してしまった場合は、完全停止するので対策内容のご検討が必要です。
   
私も以前、台風11号の直撃後はベトナムのネットワーク回線がすぐには復旧せず、支障をきたす場面に直面したことがあります。

 

実際の事例

ペーパーレスの仕組みを実際にご導入しているお客様の実例を1つ挙げさせて頂きますと、大きな外部装置を製造販売されている製造現場での事例です。ツールは、弊社のペーパーレス支援ツール「SHIORI」をご導入頂いたのですが、導入前は「帳票準備」と題して、製造課程で必要となる「マニュアル」「組立書」「各品情報」「チェックシート」などを全て印刷し、1台を作成する場合に 少なくとも100枚以上を印刷されていました。
また、その1台あたりの製造課程で行ったチェックシートや品質シートなどすべてを倉庫に3年程度保管されていました。

現在、ご導入頂いてからは、 すべてのコストに対しておよそ3割程度の削減が可能になっています。
まだ、すべての紙がなくなった訳ではないのですが、今後徐々にその率を高めていく計画です。

導入時には、現場ごとに要望が異なったり、アナログ(用紙)の方が効率が良いなどの様々な意見を頂きながら、お客様に寄り添い1つ1つの問題点を解決し、可能な限りペーパーレス化していっております。

最後に、職業柄どうしてもペーパーレス化した方が 効率・管理が容易で良いと思ってしまいますが、いざ実際に現場視察などに行かせていく場合に、これは出来る・出来ないなど様々な条件がお客様毎に違い、どのような手法で対応すれば可能なのか導入前のご相談などの時間を楽しく感じています。

もし、ペーパーレス化 を検討しているが 何から手を付けていいのか・・・と、お悩みの場合はまずは1度ご相談頂ければと思います。

前回記事にも記載しておりますが弊社はBizDevOps(※1) の考え方を取り入れております。

※1:BizDevOps : https://www.saishunkansys.com/business/systemintegration/bizdevops/

記事: T.H


T.H
T.H

ベトナム在住で再春館ベトナムに所属している者です。趣味は未知への探求で、ベトナム語のユニークな発音を探すのが最近の楽しみです。
ゲームや漫画を愛し、特にJRPGに夢中です。

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ベトナム在住で再春館ベトナムに所属している者です。趣味は未知への探求で、ベトナム語のユニークな発音を探すのが最近の楽しみです。
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