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今回は、最近よく耳にする「DtoC(D2C)」とはどんなものなのか、従来の取引形態であるBtoBやBtoCとの違いやメリットなどについて、まとめたいと思います。
DtoCとは?
DtoC(D2C)とは、「Direct to Consumer」の略で、自社で企画・開発・製造した商品をECサイトなどの自社チャネルを通じて消費者に直接販売するビジネスモデルのことです。
これまで”自社商品を販売する仕組み”は、一般的に問屋や小売店などを介して販売するケースがほとんどでした。
ところが近年、インターネットやSNSの浸透によって企業が消費者と直接コミュニケーションを取ることが可能となり、他社を介さずに直接販売するケースが増えてきました。
また、昨今のコロナ禍では、店舗販売の売上を落としている企業も多く、ECサイトなどの自社チャネルでの販売が、より重要度を増してくると考えられます。
他の取引形態(BtoB、BtoC)との違い
従来のBtoB(Business to Business)やBtoC(Business to Consumer)は、企業と企業、もしくは企業と消費者との間の商取引で、「誰と誰」の取引なのかを表しています。
それに対し、DtoCは、他社を介さずに自社商品を直接消費者に販売することを示すもので、誰と誰の取引かではなく、どのように取引するか、消費者にどのように商品を届けるかを表しています。
ちなみに、ヤフオクのようなオークションサイトやメルカリのようなフリマアプリにおける消費者個人と個人の商取引は、CtoC(Consumer to Consumer)と呼ばれます。
DtoCが注目を集める理由
「DtoC」は最近注目を集めた言葉ですが、新しく出てきた取引業態というわけではありません。
以前より、自分たちで商品を作り、直接商品を販売している企業は多く存在しています。弊社のグループ会社 再春館製薬所のドモホルンリンクルのように、自社チャネルでのみ販売している通販企業のビジネスモデルは「DtoC」といえるでしょう。
ではなぜ、最近このビジネスモデルが注目を集めているのか、そこには時代背景と昨今の環境変化が大きな理由であると考えられます。
①誰でも簡単にECサイトを作れる時代
10数年前であれば、自社でEC構築することはお金と時間がかかり、大きな労力を必要としていましたが、今では、誰でも簡単にECを構築できるクラウドサービスが普及しております。
たとえば、BASE、STORES.jp、Shopifyなどのクラウドサービスを活用すれば、数時間でECサイトを開設することも可能で、これまで資金力が乏しくECサイトを構築できなかった中小企業でも、すぐにDtoCに参入することができます。
②コロナ禍における店舗販売の不振
2020年現在、新型コロナウィルスの影響で、ほとんどの企業が対面での店舗販売の売上を落としていますが、オンライン販売は顕著に売上を伸ばしているところが多いです。
コロナ禍では、感染リスクのある店舗での買い物を避け、インターネットで購入するケースが増えており、この傾向はますます拍車がかかると思われます。
今まで従来の流通ルートで十分な利益を上げていた企業も、コロナ禍の中で、ビジネスモデルを大きく転換させなければならず、その点においてもDtoCが注目されているのです。
DtoCのメリット
それでは、DtoCのメリットとは、どのようなものがあるのでしょうか。
主に以下の3つが挙げられると思います。
・商品に込めた思いを伝えられる
・利益率が高い
・顧客との関係を構築できる
①商品に込めた思いを伝えられる
DtoCは、他社を介さないため、自社の大切にする価値観(ビジョン)や商品に込めた思いを消費者に直接、きちんと伝えることができます。
②利益率が高い
問屋や小売店などの従来の流通ルートで自社商品を販売する場合、中間マージンや手数料などの経費が発生します。
また、Amazonや楽天などのECモールで販売する場合でも、登録料やシステム利用料、販売手数料などの様々な手数料を払わなければなりません。
しかし、自社商品を直接販売するDtoCでは、そのような費用はほとんど発生しません。
③顧客との関係を構築できる
おそらくDtoCのメリットとしては、これが最も大きいと考えられます。
直接、消費者から意見を取り入れることができるDtoCでは、消費者からのフィードバックを商品やサービスの改善に反映することが可能です。
また、顧客データとして蓄積できるため、顧客分析などを行うことで、LTV(顧客生涯価値)を高めるためのCRM施策も実践できます。
消費者に直接商品を販売することで、顧客とのコミュニケーションが生まれ、顧客からのフィードバックを商品・サービスに反映し、さらにファンになってもらうという「DtoC」がもたらすメリットは、まさにリテンションマーケティングそのものといえるのではないでしょうか。
記事 : H.U.