2023年11月17日

AWSのコスト管理

AWS

目次

Contents

1.はじめに

今回のブログはAWSのコスト管理について記載いたします。以前も以下のブログで記載していますが、クラウドを利用するうえでコストは重要視される方が多いかと思いますので再度書かせていただくことにしました。
各サービスのコストを抑える方法を記載いたします。
前回のブログはこちら

オンプレミスからAWSに移行する際に、アプリケーションの改修をほとんどせずにリホストという移行方針でオンプレミスの仮想サーバをそのままMGNなどのツールを用いてEC2に移行する場面が多いかと思います。最近ではクラウドネイティブのサーバレスな構成を選択する事例が増えていますが、まだまだEC2で稼働している環境も多いかと思います。
データベースにおいては、PaaSのサービスであるRDSを使う場合が多いのではないでしょうか。AWSの利用料金のうちの大部分を占めているサービスは仮想サーバのサービスであるAmazon EC2とマネージド型リレーショナルデータベースサービスのAmazon RDSではないでしょうか。今回はAmazon EC2、Amazon RDSの料金について紹介します。

2.インスタンスタイプの見直し

オンプレミスからAWSに移行する際にオンプレミスの物理サーバや仮想サーバのCPUやメモリ、ディスクサイズなどをオンプレミスと同サイズのEC2インスタンスタイプを選択する場合が多いかと思います。オンプレミスの場合はハードウェアを一括購入して、環境構築するため稼働後のリソース拡張は発注のリードタイムや追加作業等が発生します。そのため少しオーバースペックなキャパシティプランニングとなる傾向が多く感じられます。
AWSといったクラウドのメリットは簡単にCPUやメモリの拡張と縮小が可能であり、料金も従量課金制であることが挙げられます。定期的にリソース使用量を確認してインスタンスタイプを見直すことで料金を最適化することができます。

3.購入方法の検討の見直し

EC2やRDSは数種類の購入方法があります。利用期間や用途に応じて適した購入方法を選択することで利用料に割引を適用することができますので簡単に紹介いたします。(2023年11月時点の情報で記載しております。)

3.1 EC2

・オンデマンドインスタンス
従量課金制となっており秒単位で利用料金が発生し、1か月単位で支払うタイプのインスタンスです。EC2インスタンスを作成した際に自動的にこのタイプの支払い方法となります。1年以上の利用が確定しておらず、常時起動はしないが安定的に稼働する必要がある場合はオンデマンドインスタンスをお勧めします。
以下に紹介するインスタンスはオンデマンドインスタンスの料金と比較して割り引いた料金で利用することができます。

・リザーブドインスタンス
EC2インスタンスを1年以上継続して利用する場合に一括して購入するタイプのインスタンスです。購入期間は1年もしくは3年があります。一括して購入することにより、オンデマンドインスタンスと比較して最大72%の大幅な割引を受けることができます。ただし、割引率はインスタンスタイプや購入方法(全額前払い、一部前払い、前払いなし)、スタンダードorコンパーティブルなのかにより割引率が異なってきます。詳細は公式サイトをご確認ください。
リザーブドインスタンスのデメリットとして、インスタンスタイプやプラットフォーム、リージョンなどの属性を指定して購入するため、一致しないEC2インスタンスに割引が摘要されません。期間が残っているリザーブドインスタンスはより柔軟な購入方法として下に記載するSavingsPlansという購入方法があります。

参考URL:「AmazonEC2リザーブドインスタンスの料金」
https://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/reserved-instances/pricing/

・Savings Plans
1年もしくは3年間の時間当たりの使用量(例:$10/時間)を契約することで、その利用料に対して割引が適応されます。プランは”EC2 Instance Savings Plans”と”Compute Savings Plans”の2種類があります。“EC2 Instance Savings Plans”はEC2のみが対象となっており、リザーブドインスタンスと異なる点はインスタンスタイプやプラットフォームなどの属性を指定する必要がないため運用中も柔軟に変更することができます。
”Compute Savings Plans”はEC2のみではなくAWS Lambda、AWS Fargateを使用する場合にも適用されるため柔軟なプランとなりますが、割引率は“EC2 Instance Savings Plans”より低くなります。

・スポットインスタンス
EC2サービスの空きキャパシティを低料金で利用できるプランです。最大90%の値引きとなります。金額は空きリソース状況やリージョンにより変動します。リクエストを行い利用可能なキャパシティがある場合は利用できます。秋キャパシティがない場合は起動できません。また、起動中に空キャパシティが不足するとインスタンスが中断(デフォルトでは終了)されます。用途としては検証環境など一時的に停止しても問題ない環境での利用ケースが想定されます。

3.2 Amazon RDS

EC2と同様にオンデマンドインスタンスとリザーブドインスタンスがあります。RDSリザーブドインスタンスもEC2と同様に1年以上継続して利用する場合に1年もしくは3年分一括して購入することで割引を適用することができます。

4. おわり

今回はAWSのEC2,RDSのコストを抑える手段について紹介させていただきました。
今回紹介した方法以外にもコストを分析して自動的に削減するためのオペレーションを実行する製品も存在しており、コストの最適化には様々な方法がございます。
システム規模により、インスタンス数が増加してくるとコスト管理が煩雑化し、大変になりお困りの方も多いのではないでしょうか。数多くのプラン、外部の製品含め全てを網羅的に把握することは難しく専門性が高くなってしまいます。また、システム環境はクラウド化したがその運用が属人化してしまうといった問題にも繋がりかねません。

弊社でもAWSのコスト最適化の他、インフラ構築についてご支援させていただくことが可能ですので、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

記事 : S.H

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