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はじめに
ChatGPTとは、OpenAIが開発した会話型のモデルで、インストラクションに従って詳細な回答を提供するInstructGPTの兄弟モデルです 。ChatGPTは、画像や音声ともにチャットできるほか、画像を作成することもできます。ChatGPTは、人間のフィードバックから強化学習を行い、GPT-3.5シリーズのモデルからファインチューニングされています。
ChatGPTでできること
①テキストでの質問応答
ChatGPTはユーザーが入力した質問の意図を文章から解析し、質問に合わせた内容で返信してくれます。ただし、ChatGPTの回答は、必ず正解だとはいえません。あくまでも、質問に対して違和感のない言葉をつなぎ合わせて返信ができるツールです。正確な回答を求めるような質問にはあまり向いているとは言えません。何かのアイデアを出してもらうような、正解のない質問をすることに適しています。
②テキストの生成
作成してほしい文章の内容と、用途を指定すれば、条件にあった文章の生成が可能です。例えば「体調不良で会社を欠勤したいとき、上司に送るメールを作成してください」といったプロンプトが考えられます。文章には様々なルールがあり、読む相手にあった言葉遣いを選びながら文章を作成するのには時間がかかってしまうこともあるでしょう。そのようなときに、ChatGPTを利用すれば、プロンプトを入力するだけで文章を作成できます。完成した文章の中身のチェックは必要となりますが、テキスト作成にかかる時間を短縮することができます。
③文章の校正や校閲
ChatGPTでは文章の校正や校閲を行うことが可能です。自分が書いた文章に文法の誤りがないか、もっと読み手が読みやすくなるような文章にするにはどうすればいいか悩むこともあると思います。そのようなときに、ChatGPTを使えば文法的に正しく読みやすい文章を作成することができます。文章の校正や校閲には文章が長ければ長いほど、長い時間と知識が必要になります。また、校正や校閲作業のなかで見落としが発生してしまうこともあると思います。ChatGPTを活用すれば、短時間で読み手が読みやすい文章を作成することができます。
④コードの生成/添削
ChatGPTは、プログラムコードの生成や添削を行うことも可能です。ChatGPTは、自然言語だけでなくPythonのデータも学習しています。そのため、Pythonを用いたプログラミングや、コードの添削ができます。人間が書いたコードを添削してもらい、どこが間違っているのかを確認することも可能です。さらに、ChatGPTが書いたコードが上手く動かない場合には、どんなエラーが出たか入力すれば修正後のコードも生成することができるので、仕事の一部を自動化するようなツールの作成を知識がなくても短時間で行うことができてしまうのです。
ChatGPTでできないこと
①最新情報に基づいた回答生成
ChatGPTは、最新情報に基づき回答を生成することができません。有料版(Plus)のChatGPT-4は2022年1月まで、無料版のChatGPT-3.5は2021年9月までの情報を参照して回答を出力します。そのため、ChatGPTと最新のイベントやニュースなどに関する対話をするのは難しいです。
(上記は2023.12月時点)
※最新情報はこちらから→https://platform.openai.com/docs/models/
②人間の感情に寄り添った回答生成
ChatGPTは、ユーザーとの会話を楽しく、有意義に、そして安全に行うことができますが、人間の代わりになることはできません。ChatGPTは、人間の感情やニュアンスを理解しようとしますが、人間と違い感情を持っていないため、人間が持つ道徳的な観点からの回答の生成は難しいです。また、ユーザーの友人や相談相手、教師やパートナーなど、様々な役割を果たすことができますが、それらの関係に置き換えることはできません。ただし、将来的には、人間と同等に思考できる汎用性人工知能が開発されるのではないかと期待されています。
③法律や倫理に反する回答生成
ChatGPTは、ユーザーの質問や要望に応じて、詳細な回答や文章を提供することができますが、法律や倫理に反することはできません。ChatGPTは、人間のフィードバックから強化学習を行い、より正確で安全で倫理的な出力を目指していますが、完全には保証できません。
ユーザーに有害な内容や、他人の権利やプライバシーを侵害する内容を提供することはできません。
ChatGPTの活用事例
①チャットボット
ChatGPTをチャットボットに搭載することで、オンライン上の問い合わせや対応を人の代わりに行ってくれるツールとして利用できます。チャットボットはECサイトや通販、会社ホームページ上に設置されており、問い合わせの自動化に用いられています。ChatGPTはシナリオに沿った内容だけでなく、雑談や質問にも対応できるため、チャットボットで対応できる会話の幅を大幅に広げることができます。
②LINE公式アカウント
ChatGPTをLINE公式アカウントに搭載することで、友達追加してくれたユーザーに直接情報を届けたり、会話を楽しんだりできるサービスとして利用できます。ChatGPTは音声や画像ともにチャットできるほか、画像を作成することもできるため、LINE内で多様なコミュニケーションが可能です。例えば、株式会社picon社が提供する「AIチャットくん」は、LINEで友達追加するだけでChatGPTを利用できるサービスであり、友達追加した後はLINEでチャットする感覚でChatGPTの機能を試すことができます。無料で利用できる範囲は1日5回までと、料金により利用可能枠に幅があるものの、ビジネスメール等のドキュメント作成やAIとおしゃべりなどをLINE上で行うことができます。2023年3月にリリースしてからわずか10日でユーザー数50万人、総メッセージ数600万回を突破するほどの人気のサービスです。
③オンライン学習サービス
ChatGPTをオンライン学習サービスに搭載することで、学習を行う生徒と学習を教える講師がオンラインを通じて学習するサービスとして利用できます。ChatGPTは教育に関する知識を持っており、生徒の質問に答えたり、添削やアドバイスを行ったりすることができます。例えば、Speakeasy Labs, Incが提供する英会話アプリ「Speak(スピーク)」があります。スピークは言語習得、スピーキングスキル向上に不可欠な「聞く」「話す」を学べる学習アプリです。英語学習者のレベルに応じた「レベル別コース」、英会話のシチュエーションに応じた会話を行える「AI講師」、英語特有の表現、文法、発音を学べる「ミニコース」といった3つのコースが用意されており、いつでもどこでも英会話を学ぶことができます。スピークは「AI講師」に大規模言語モデル「CPT‐4」を搭載しており、一貫性のある会話やユーザーとの自然なコミュニケーションを実現しています。
④会社内での利用
ChatGPTを会社内での利用に搭載することで、調べものやアイデア出しに力を発揮するAIチャットとして利用できます。ChatGPTは様々なトピックに関する知識を持っており、不明点を入力すれば内容に適した回答をしてくれることもあります。
まとめ
ChatGPTは、これらの特徴を持つことで、様々な用途や場面で有用なツールとして使用されています。ChatGPTに興味のある方は、ぜひ試してみてください。
記事 : BSサービス事業部 H.N