2023年1月25日

バリューチェーンと、バリューチェーンマネジメントを考える -ものづくりプロジェクトのアプローチを考えてみた-

目次

Contents

まずは、私たちがものづくりプロジェクトのアプローチにおける「バリューチェーン」を考える際に参考にした書籍をご紹介します。

そもそもバリューチェーンとは、マイケル・ポーター(1985年)が著書「競争優位の戦略」で提唱した造語で、日本語では「価値の連鎖」と訳されていて、付加価値(バリュー)を企業活動全体のフローチェーンの中にあると考えるフレームワークです。
私たちは、製造業としては初めてのトライなので、バリューチェーンを理解し、私たちのビジネスにマッチしたバリューチェーンマネジメントを構築する必要があると考えました。

前回ブログでも紹介しておりますが…必読書と思っておりますのでご容赦ください。
オススメ書籍:<エッセンシャル版>マイケル・ポーターの競争戦略

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/111466.html

こちらは、1980年代に出版された『競争の戦略』のエッセンシャル版です。
すでに教科書的な位置づけなので、読んだ事がある人も多いと思いますが、置かれたビジネス環境の違いで内容の受け取り方が大きく変わります。
読んで終わりではなく、年に1回読み返すくらいが良いかもしれません。
特に、事業資産が限定される中小企業や、スタートしたばかりの事業責任者の方にオススメです。

次に紹介するのはこちらです。
オススメ書籍:事業開発一気通貫 成功への3×3ステップ

https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/22/07/13/00280/

ボストンコンサルティンググループ(BCG)で、プロジェクトマネジャーとして活躍された、秦 充洋さんの著書です。
バリューチェーンを含んだ事業開発の全体像が書かれており、ストーリーとして読みやすい内容になっています。
体系化もされており、新規事業開発に関わっている方には特にオススメです。

バリューチェーンマネジメントは、業務を「主活動」と「補助活動」に分類しています。
主活動は、「調達(インバウンドロジスティクス)」「製造(オペレーション)」「出荷物流(アウトバウンドロジスティクス)」「販売・マーケティング」「サービス」の5つです。

そして、サポート活動は「調達」「技術開発」「人事・労務管理」「一般管理」の4つです。
製品の付加価値がどの部分(機能)で生み出されているかを分析することで、バリューチェーンを最適化する手法になります。

今回は、バリューチェーンマネジメントの主活動を中心に、私たちがバリューチェーンとバリューチェーンマネジメントをどのように捉えているかを書きます。

バリューチェーンとサプライチェーンの違い

バリューチェーンとサプライチェーンは、共通する部分もありますが、異なる概念です。
バリューチェーンは、個々の企業の事業活動を分析し、そのプロセスの効率を最大化する方法を決定するために使用されます。
サプライチェーンは、サプライヤーとバイヤーを含むサプライチェーン全体を分析し、システム全体の効率を最大化する方法を決定するために使用されます。

バリューチェーンマネジメントの主な活動とは?

私たちは、バリューチェーンの主活動5つを以下のように捉えました。
主活動をどう捉えるかによって、サポート活動の内容が変わってきます。

1.調達(インバウンドロジスティクス)
調達は、製品を生産するために必要な資源や材料を得ることを含む。
これは、サプライヤーからの購入、またはサプライヤーとの戦略的パートナーシップの形成によって行われる。

2.製造(オペレーション)
製造とは、必要な資材を調達し、製品を作ることである。
効率を最大化するために、組立ラインやジャストインタイム生産などの技術を採用することができる。

3.出荷物流(アウトバウンドロジスティクス)
出荷物流は、完成した製品をメーカーからお客様へ輸送することである。
これには、地域配送と国際配送の両方が含まれる。
お客様に満足していただくためには、適切なロジスティクスが不可欠である。

4.販売とマーケティング
販売とマーケティングは、製品を効果的に販売するためのプロセスである。
これには、広告やプロモーションなどのマーケティング戦略や、顧客への働きかけなどの販売手法が含まれる。

5.サービス
サービスとは、設置や修理サービスなど、購入後に顧客にサービスを提供するプロセスである。
優れた顧客サービスを提供することは、顧客の囲い込みに不可欠である。

まとめ

今回は、私達がバリューチェーンマネジメントの主活動をどう捉えたかを、書かせていただきました。
この主活動部分を、数社の企業担当者様とディスカッションしたところ、各社によって捉え方が違うことが多く、歴史・規模・ご担当者の経験など、様々な背景で微妙に変わる事を感じました。

まずは、自社の置かれた環境でバリューチェーンマネジメントをシンプル考察、複雑化していく中で最適解を導きだすための軸を構築することが必要だと強く認識しました。

次回は、サポート活動に触れさせていただき、より深掘りしていければと思います。

記事 : R.S

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