2023年6月13日

電話オペレーターの聴覚ストレスが離職につながる!再春館グループが取り組む訳

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なぜ、ヘッドセットの開発にチャレンジしたか

再春館グループでは、「年齢を重ねるとともに、自分らしくイキイキと幸せを重ね、多くの笑顔が循環する社会」をキーワードにした「グッドエイジング」という理念を掲げています。その中に、高齢者の日常生活における困りごとを解決するための取り組みも展開しておりますが、取り組む課題は、消費者向けだけでなく、自社の電話オペレーターにもあることがわかりました。

再春館製薬所のコールセンターは、熊本県益城町に拠点を置き、ピーク時には1日7000件もの電話に対応しています。オペレーターは、1日8時間、ヘッドセットを常につけっぱなしで勤務することもあります。電話特有の“こもった感じ”の声を1日中聞き続けることで、耳にかかるストレスは極めて大きく、退職につながることもありました。実際に、ここ数年で、「急に聴こえなくなったり、反響を伴って聴こえることがある」「目まいと頭痛がひどい」など、聴覚にかかるストレスが原因で退職を申し出る事例が発生し、問題が顕在化しました。

再春館グループはこの問題に対して様々な解決策を模索し実行してきましたが、その中で解決方法が乏しかったのが、ヘッドセットです。

ヘッドセットはコールセンター業務において欠かせないアイテムです。各社から様々な製品が販売されておりますが、「聴こえ方」よりも「コスト」が重視される傾向があり、オペレーターの健康や働きやすさに寄り添った製品が少ない現状でした。

 

知見を活かし、「聴こえと耳の健康」を意識したヘッドセットを製造

 

●課題解決に向けた、知見を生かしたアプローチ

現代社会において、ヘッドセットは欠かせないものとなっています。スマートフォンの普及に伴い、音楽や動画などの娯楽を楽しむだけでなく、ビジネスシーンでもヘッドセットを利用することが増えています。しかし、長時間の使用や選び方の誤りにより、聴力障害や耳の健康に悪影響を与えることが知られています。この問題に対して、私たちは再春館製薬所の知見を活かし、「聴こえと耳の健康」を意識したヘッドセットの開発にアプローチしました。

 

●「聴こえと耳の健康」に配慮した、音質とデザイン

私たちが開発するヘッドセットは、「聴こえと耳の健康」に配慮した音質とデザインを採用しています。例えば、音声に特殊な信号処理を施し、聴き取りにおいて負荷を軽減し、聴力障害を防止するための機能も搭載しています。また、イヤーカップとヘッドアームの形状や材質を研究し、装着感の向上と同時に、耳への負担を軽減する工夫を施しました。

音声については、音声を信号処理する際に、高精細かつ自然な音質を実現する特殊な処理を行います。脳を聴き取ることだけに集中させる必要がなくなり、聴き取りにおいて負荷を軽減することができました。

イヤーカップの形状については、一般的なヘッドセットのイヤーカップが耳を完全に覆うものが多いため、長時間使用すると耳への負担が大きくなってしまいます。そこで、私たちは耳の形状に合わせたイヤーカップの形状を研究し、耳への負担を軽減することに成功しました。また、材質についても、耳に触れる部分の素材の質感にこだわり、装着感を向上させました。

 

開発にあたっての取り組み

私たちは、「聴こえと耳の健康」に配慮したヘッドセットを開発するために、様々な取り組みを行っています。まず、聴力と音響機器に関する専門家と協力し、ヘッドセットの設計に取り組んでいます。また、再春館製薬所のコールセンタースタッフからのフィードバックを取り入れ、ユーザーの声を反映した製品開発を行っています。さらに、製品の品質管理にも力を入れており、製品の機能性や安全性を確保するために厳密な検査を行っています。

再春館製薬所のコールセンタースタッフに対する調査により、一般的なヘッドセットを利用するユーザーの過半数が長時間使用することによって耳の疲労や聴力障害を感じていることがわかりました。この課題に対して、私たちはユーザーの声に耳を傾け、耳の疲れを軽減するための工夫を施しました。また、製品の品質管理についても、万全を期すために、製品を出荷する前に厳密な検査を行っています。

聴覚障害の深刻な問題に挑戦する

聴力障害は、世界的にも深刻な問題です。世界保健機関によると、世界中で4.3億人が聴力障害に苦しんでいます。また、2050年までに7億人以上、つまり10人に1人が難聴になると推定されています。聴力障害は、人生の質を低下させるだけでなく、社会的経済的な影響も大きいため、この問題に対して取り組むことが重要と考えています。

World Health Organization: Deafness and hearing loss(27 February 2023)
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/deafness-and-hearing-loss

 

音声通話支援システム『mimiyori』のこれから

聴力障害の深刻さを認識し、この問題に対処する必要性を再認識しました。聴力と耳の健康を意識したヘッドセットの開発は、再春館グループにとって非常に重要な取り組みです。私たちは、再春館製薬所の知見を活かし、聴力障害や耳の健康に悪影響を与えることのない製品開発に取り組み、今後もユーザーにとって快適で安心なヘッドセットと関連製品の提供を目指していきます。

 

記事 : R.S

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