2023年2月17日

ビジネスモデルと社会学(閑話)

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さて、立て続けに個人的な思考方法を書いてきたのですが、ここで閑話を挟みたいと思います。

初めて大きなプロジェクトを任された時、当時の上長から「ビジネスばかり学ぶのではなく、一緒に社会学を学ぶと良い」と勧められました。

そこから、社会学を漠然と学んできました。といっても、本を読む程度ではあるのですが。

そこから10年以上が経つわけですが、何かを決断するときや、方向を指し示す時に、社会学をかじっていたことが大きな礎になりました。
万人受けする内容ではないかもしれませんが、新しい出会いになれば嬉しいです。

なぜ、社会学が礎となったか

私は、下記のように捉えています。
企業経営の理論を学ぶだけでなく、実際の企業を事例として、企業の経営戦略やビジネスモデル、企業の社会的責任などを社会学の視点から観察することで、多くの示唆を得ることができる。
人々が当たり前だと思っていることを疑う「脱常識」の観点から社会を考察することは、現代社会を論理的かつ批判的に捉えることができるので、社会学の枠組みや手法の基礎を学ぶ事が大いに役に立つのです。

簡単に言うと、「常識を疑う感覚を養う」です。
そこに、社会的責任の視点を加えることで、見え方がガラッと変わる可能性があります

ちょっとした練習として、製造業のビジネスモデルを、社会的責任を着地として見てみます。
あくまでも個人的な視点ですので、ご参考までに。

1.世界をリードしてきた日本の製造業企業の生産システムの特徴

日本の製造業は、数十年にわたり世界市場を席巻し続け、大きな成長を遂げてきました。
これは、生産システムの効率的な運用によるものであります。
日本の製造業は、さまざまなシステムを活用することで、生産プロセスを改善し、高い品質を維持することができました。例えば、部品や材料を必要なときに必要なだけ作る「ジャストインタイム(JIT)」、製品やサービスの品質を重視する「総合的品質管理(TQM)」などがその例です。

また、生産システムは、個人の才能を企業の価値観や目標に適切に合致させようとする多くの人的資源管理モデルにも大きく依存しています。これには、従業員が仕事への満足感や感謝の気持ちを得られるような、職務拡大や職務の充実といったさまざまな慣行が含まれます。さらに、金銭的報酬と非金銭的報酬の両方に基づいたインセンティブ・プランを用いることで、従業員の協力とコミットメントを高め、生産性と効果の向上につなげることができます。

2. 製造業におけるビジネスモデル

現代の製造業は、競争力を維持し、利益を上げるために、さまざまなビジネスモデルを採用しています。例えば、製品を大量に生産することで得られるコストメリットを活用する「規模の経済」、無駄を省きながら高品質の製品を生産する「リーン生産方式」、顧客の要望に応じて製品をカスタマイズする「マスカスタマイゼーション」などが挙げられます。さらに、現代の多くの企業は、顧客サービスやパーソナライゼーションを重視し、顧客満足を提供することに重点を置いた顧客重視のビジネスモデルを採用しています。

3. 企業の社会的責任の重要性

現代社会では、企業の社会的責任(CSR)がビジネスの成功に重要な役割を担っています。CSRとは、持続可能な発展を目指し、環境、社会、経済への配慮を企業経営のプロセスに統合する概念です。このように、CSRは、企業が倫理的な事業活動を行い、責任ある倫理的な態度でビジネスモデルを推進するための基盤となっています。

例えば、多くの企業が、環境に配慮した行動、職場の安全や公正な賃金の確保、すべての従業員への平等な機会の提供、ボランティア活動など、企業の社会的責任を促進する方針を採用しています。これらの実践は、企業の持続可能な発展へのコミットメントを示すものであり、顧客のロイヤリティを高め、企業全体の評判を促進することにつながります。さらに、社会的責任(CSR)は、ポジティブな宣伝や認知をもたらすという点で、ブランドにも利益をもたらすことができます。

まとめ

頭の体操的なレベルな内容で申し訳ないです。
でも、事業の成功のために追い続ける、効率性、顧客満足・市場満足のような過去の成功指標だけでは成功しない事が見えてきませんか?
社会的責任を果たしポジティブな効果を得るまでが、事業の成功と言えそうです。

そして、社会的責任(CSR)は、今後私達のような中小企業にも求められるようになります。
参考までですが、CSRヨーロッパ(企業連合体)が参考になると思います。
https://www.csreurope.org/
*英語のみ

TOYOTA、EPSON、HITACHI、HONDAなど、日本を代表する企業も参加しています。
日本だとCSR=社会貢献というイメージだと思います。
このサイトを見るともっと先を進んでいて、CSR=その企業そのものというイメージです。

近い将来、このレベルまで求められる時代がきます。
今までの常識でない視点で、事業を考えておく必要があるのではないでしょうか。

企業の経営戦略、ビジネスモデル、そして企業の社会的責任について社会学的な視点を持つことで、現代社会の内部構造について貴重な洞察を得ることができます。
また、日本の製造業を代表する企業の戦略を検証することで、生産システムやビジネスモデルのあり方について重要な教訓を得ることができます。
そして、企業の社会的責任の重要性を理解し、それをビジネスに取り入れることで、ビジネスは倫理的かつ持続可能な方法で行動することができようになるのではないでしょうか。

次回からは、いよいよ販売を開始する「mimiyori(ミミヨリ)」の取り組み内容やユーザーが抱える「聴こえのお悩み」について、詳しくご紹介していければと思います。

記事 : R.S

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