全日本空輸株式会社 様
業種:航空サービス業
規模:売上高 1兆9742億16百万円 ANAグループ全体 2020年3月期
全日本空輸は、1952年設立の東京都港区に本社を置く航空会社です。ANAグループの中核事業たる航空事業を担い、国内線、国際線ともに国内首位の路線網を有しています。「安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します」のグループ経営理念のもと、国内線は全国47の空港に就航しています。一方、国際線は「スターアライアンス」メンバーとして、アジアや北米、ヨーロッパの主要都市へ就航。2020年3月期の国内線旅客数は4,291万6,000人、国際線旅客数は 941万6,000人に上ります。
「2万5,000台の端末を守るために、パターンマッチング型、振る舞い検知型、EDRという順でセキュリティソフトを導入してきました。パターンマッチング型はウイルス検知率が低い上に、回線帯域が狭い拠点に対してはウイルス定義ファイルの更新に人を派遣しなければならず、コストがかかっていました。その後導入した振る舞い検知型は、攻撃が高度化し新しい振る舞いが出るとバージョンアップが必要になりました。バージョンアップの度にそれぞれのシステムでテストし、展開するので、費用がかさみました。 そしてEDRは侵入前提と頭を切り替えて導入しましたが、対応までの時間を短くしなければならず、24時間X365日の監視態勢を組んだ上で、スタッフにはシフト業務、システム、ウイルスに対する高度な知識と対応ノウハウをもとめざるをえませんでした。しかし、高度なセキュリティ人材の獲得や、育成には限界があります。
そこでAppGuardであれば、テスト・展開に関わるコストや高度なセキュリティ人材の育成が不要になると判断し、導入することにしました。」とデジタル変革室企画推進部 担当部長 情報セキュリティ・基盤戦略担当 和田昭弘氏は振り返ります。
選定のポイント
①「ウイルスか、ウイルスでないか」の判断でなく、「やってはいけないことをさせない」という全く新しいセキュリティ概念を評価した。
②バージョンアップしても、根幹技術は変わらず、大掛かりなテストの必要がない。検知・対応の監視体制も縮小可能と考え、費用対効果が優れているとの結論に至った。
セキュリティ対策コストの劇的な削減が可能に
従来のセキュリティソフトは『ウイルスか、ウイルスでないか』を判断するものでした。それに対して、AppGuardは 『OSに対して、 やってはいけないことをさせない』という全く新しい考え方でした。
それは非常に画期的だと思いましたが、本当に端末を守ることができるかどうか疑問もあったので、調査と共に、 部内で試験導入を行いました。その結果、OSの安全性を確保し、システムの正常な動作を守ることができ防御力は実証できました。
導入後は全社展開のためのテストは不要となり、コストが劇的に削減できると判断。費用対効果が非常に優れているとの結論に至り、2018年に導入に着手しました。そして、2019年3月には社内2万5,000台のすべての端末への導入を完了しました。
AppGuardが不正侵入を唯一防止、全社で標準装備
AppGuard展開の際に、理論通りに動作するかどうかテストしました。その結果、Windowsの標準開発プロセスに則って開発されているアプリケーションの起動は問題なく実行され、追加の設定の必要がありませんでした。 一方で、 則っていないシステムは止めますが、ポリシーをチューニングすることで解決できました。
ホワイトリスト型製品とちがって、細かい運用は不要でポリシーの設定はさほど難しくありません。
AppGuardの運用も一回行い、慣れてしまうと、楽になります。ただ、旧来のセキュリティソフトに慣れているIT部門の意識を変えるのは必要で、特に現場への展開担当部門で大きな抵抗がありました。 ところが、2019年末に外部から侵入を試みた事例があり、 それを多層防御含めた複数の検知システムの中で唯一AppGuardだけが防止したのです。この事象により、IT部門の意識はすっかり変わりました。今では会社貸与PCにはAppGuardが標準装備となっています。
スムーズなテレワーク移行とサプライチェーン強化
コロナ禍で社員の働き方が大きく変わっていて、テレワークで仕事をする社員が増えています。今まで社外へ持ち出される端末はすべてVDIが多くをしめていましたが、職種によってはPCの性能が不足する場合も出てきています。 そこで、今後、AppGuardをインストールしたファット型PCに順次きりかえていきます。またサプライチェーン強化の一環でANAグループ会社全体へのAppGuard展開も検討しています。
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