目次
Contents
はじめに
以下のこれまでの記事に引き続き
・スマートフォンアプリ開発～PWAとは～
・PWA（Progressive Web Apps）の開発方法について
今回もPWA（Progressive Web Apps）について、現在の注目度と採用事例、そしてこれからの展望についてご紹介させていただきます。
PWAは比較的新しいものでありながら、多くの企業で実際に採用されています。
また、PWA導入後の効果についても公開されているものがありますので、実例を交えながらお話させていただきます。
PWAの実績
PWAは、ネイティブアプリのように快適に使用でき、かつインストール不要であることから、
近年注目されているWebアプリです。
また、iOSとAndroidなど複数のプラットフォームに対応することができ、
ネイティブアプリのようにリリース時にライセンスを取得する必要もないため開発が比較的容易であり、開発コストを削減することができます。
ここからは、実際の導入事例と導入後の効果についていくつかご紹介させていただきます。
●スターバックス
オンライン注文用に導入。
PWAはオフライン状態でも利用可能なため、ネットワーク状態に関わらず商品を確認しカートへ追加可能になりました。
PWAの導入により、毎日Webアプリから注文を行うユーザー数が2倍になり、デスクトップユーザーはモバイルユーザーとほぼ同じ割合で注文するようになりました。
●BMW
車に関連する高画質の画像と動画の表示がPWA導入前と比較して約4倍高速になりました。
PWA導入後は、ホームページからBMW販売サイトへの訪問が約4倍に増加し、モバイルユーザーは1.5倍増加しました。
●Uber
PWAの導入により、低速のネットワークでも自動車予約が可能になり、ネイティブアプリに匹敵するUXを提供可能になりました。
これにより、場所やネットワーク、デバイスに関係なく、2Gの低速ネットワークでも3秒以内にロードが可能になりました。
また、ネイティブアプリと比較してインストール不要のため、ローエンドデバイスを使用しているライダー・ユーザーにとっても最適です。
●Spotify
PWAの導入によりPCやスマートフォンなどのブラウザから、
ネイティブアプリと同様のUXを体験でき、さらにネイティブアプリよりも高速で動作するようになりました。
PWAの導入後は、無料版から有料版へのコンバージョンが大幅に増加し、平均リスニング時間も同様に増加しました。
これらの成功事例を通して、やはりインストールも不要でオフラインでも利用可能であることや、
ネイティブアプリと異なりリンクシェアやwebの検索結果からの流入による新たなユーザーを獲得できるといった強みから、
PWA導入によるメリットは大きいと考えられます。
PWAの注目度と今後について
ご紹介させていただいた事例から見ても分かる通り、PWAは既に数多くの企業で導入され、
その成功事例が公開されています。また、実装方法もある程度確立されていることから、
Webエンジニアや制作会社の間では既に普及したと考えられるでしょう。
一方で、Webを利用しているユーザー側にはまだまだ普及しているとは言えません。
例えばiOSでは、Androidで画面下部に表示されるバナー通知(Mini-infobar)が表示されないため、
PWAのインストール方法(ホーム画面に追加)を知らないユーザーも多いのではないかと考えられます。
このように、現状PWAは比較的新しい技術で、発展途上ということもあり、
OSやブラウザによってPWAの機能に一部非対応のものも存在しますが、
iOSで非対応だったプッシュ通知がiOS16から対応したように、着実に環境が整ってきています。
また、一部機能が非対応だというだけで、サイト自体は正常に閲覧可能であるため、PWAの導入自体は問題ないと考えられます。
最後に
今回はPWAの導入事例と今後の動向についてご紹介させていただきました。
プッシュ通知やホーム画面へのインストール、オフライン時のキャッシュ利用など、
PWAでは多くの機能を実装可能ですが、もちろん全ての機能を必ず実装する必要はありません。
対象のサイトにどのような機能が必要なのかを検討し、必要な機能だけを実装しても何ら問題はありません。
また、現在はiOSでもAndroidとほとんど同じ機能を利用することが可能となり、
今後さらに環境は整っていくと考えられるので、この機会にPWAの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
記事 ： K.K
